中国HiByのDAP新モデル・RS6が発表されました。本国での価格は8,998元(約15.4万円)。
6月に開発が発表されていたモデルが正式発表。
Android 9ベース HiBy OSを採用し、SoCにSnapdragon 660を搭載、RAM 4GB 5インチ 1080pディスプレイを搭載など、ここまでは最近よくあるAndroid DAPのように見えますが、特徴はDAC部。
DACにR-2R ラダー型回路を採用、NOS選択可能も特徴
DACに近年では珍しいDA変換方式となるR-2R ラダー型回路を採用しています(いわゆるマルチビット型)。また、16倍オーバーサンプリングとNOSを選択可能なのもポイント。R-2R ラダー型を採用するDAPはいくつか出てきているなか、ノンオーバーサンプリングという、これまた最近では採用例の少ない方式を取り込んできました。かつてはPHILIPSのTDA1541AやTDA1543といった名DACチップでマルチビットかつNOSでDA変換していましたので、懐かしいと思う人もいるでしょうが、そういう人は今何歳?というくらいの話です。
また、RS6はDSD音源に対してはPCM変換せず、ローパスフィルターを通す手法などによりネイティブでDA変換します。DSD音源のPCM変換後のDA変換が気になる人にとっても安心?です。
(R-2R ラダー型DAC回路を搭載したDAP・LUXURY&PRECISION R6PRO)
メーカーと協力しイヤホン/ヘッドホンに最適化したデジタルフィルター設定を用意
さらに、各メーカーと協力しイヤホン/ヘッドホンに最適化したデジタルフィルター設定を用意もしており、デジタルフィルターの活用で音質を変化させる仕組みはよくありますが、これをメーカー毎のイヤホン・ヘッドホン別に最適化するというのは聞いたことがありません。
差別化の難しくなっているDAP業界にあって、音の出来はともかく、これだけおおざっぱな概要だけでもその個性が伝わってくる企画力は大いに買いたいDAPに感じます。
なお、基本的な機能性は近作のNew HiBy R6と同等のようで、うまく合理化した設計でコスト上昇を防いでいるのも巧みだと思います。
2021年11月26日に税込み実売16.5万円程度で国内発売されました。2022年3月にはほぼ同価格のDAPとしてソニーのウォークマン「NW-WM1AM2」が発売。幅広く注目されるモデルと価格上は競合することでRS6にも少しは注目が集まっているかもしれません。