生産終了機器情報。「DPF-7002」はKENWOOD(ケンウッド)によるCDプレーヤー。1997年に税別58,000円で発売されました。
ミニコンサイズながら、32fs Fine D.R.I.V.E.と呼ばれる当時最高水準のDA変換分解能を持ち大変注目されました。各種オーディオ賞も多数受賞。
また、デジタル入力を持ち、DACとしても使えるので、CD部分が壊れても使い続けることができます(当然最大16bit/48kHz対応まで)。アナログ出力は可変。ライン出力レベルはリモコン操作なので、リモコンがないと、出力レベルを変更できなくなるので注意してください。
ケンウッドが独自に開発したD.R.I.V.E.システムをさらに改良し、D.R.I.V.E.に32fs 22bitというデジタルフィルターを組合わせた32fs Fine D.R.I.V.E.システムを搭載。従来の4倍の32fs 1.4MHzのサンプリング周波数で22bit相当の解像度を獲得。また120dBの高SN比を達成。DACチップにはバーブラウンの「PCM1702」をchあたり4個、合計8個使用していました。
当時としては画期的な性能、しかもミニコン、さらに意外な低価格で業界を驚かせました。すぐにデノンがAL24プロセッシングで分解能を追い越しますが。
本機をいまわざわざ取り上げたのには、本機で使用しているDACチップ「PCM1702」をはじめとするマルチビット型DACに一部で再脚光が浴びているからです。とくにポータブルオーディオメーカーのHIFIMANが「PCM1702」を搭載したDAPやポタアンを発表したことから注目されています。
当時から価格やサイズを超える高音質、とずいぶん騒がれましたが、かなり時間が経っていますし、今日の目から見たらそれなりのレベルに留まるようです。
当時のミニコンとしては珍しく、デジタル入力があるため、たとえCD部が壊れても使い続けられる点ではしぶとく使い続けられる機器と言えるでしょう。その点はメリットです。
相当不古い機器ですが、幅広いユーザーにたくさん売れたためか、近年になって中古購入した人のレビューがいくつか見られます。アマゾンにも複数のレビューがあります。
これはミニコンとしてかなり売れたので、中古も多く、買いやすい機器のひとつでしょう。中古相場としてはリモコン付きの動作品で1万円台半ば程度まで。
D/Aコンバーター 22ビット 32倍オーバーサンプリング
周波数特性 4Hz~20kHz(EIAJ)
SN比 120dB 以上(EIAJ)
ダイナミックレンジ 100dB 以上(EIAJ)
チャンネルセパレーション 100dB 以上(EIAJ、1kHz)
出力レベル /インピーダンス 可変出力:2V/0.3kΩ
デジタル入出力 コアキシャル:0.5Vp-p/7Ω
オプティカル:-15dBm~-21dBm(発光波長660nm)
定格消費電力 13W(電気用品取締法)
最大外形寸法 幅270× 高さ133×奥行315mm
重量 5.6kg