「オンキヨー、しいたけの栽培促進研究を開始」という驚きのニュースが飛び込んできました。
詳しくはファイルウェブの記事や、オンキヨー自身による発表を参照していただきたいところですが、要は、オンキヨーの持つ「音響機器ビジネスにおいて長年培ってきた音に関する技術やノウハウを」「しいたけの栽培促進研究」に生かすということだそうです。
さすがにオンキヨー自身がきのこ栽培に乗り出すわけではなく、日本工業大学の平栗健史 教授、清水博幸 准教授が進めている、落雷音による椎茸栽培促進技術の研究開発にオンキヨーが関与するという話だそうです。
それにしても、オーディオメーカーのオンキヨーがきのこ栽培に関わるというニュースは、やはり驚きをもって世間には受け止められており、2chをはじめ、ツイッターなどネット上でかなり話題になっています。
残念なことにオーディオ愛好家だけでなく、一般の広い層にもオンキヨー(&パイオニア)の経営不振は知れ渡っているようで、窮状にあるオンキヨーの窮余の策と受け取る向きもあるようです。
とはいえ、これまでにもいろいろな大手日本企業が、本業とは関係なさそうな領域にビジネスを拡大することはありました。そのどれもが成功するわけではありませんが、中には成功するものもあり、今回のオンキヨーの話も軽く見ることはできないでしょう。
今回の話は、たとえば、かつてユニクロが野菜作りに手を出したことに似ていると評する向きもあります。それでも、今回の話は、オンキヨーの持つ音響技術を直接的にきのこ栽培に生かすというものであり、本業との関連性はしっかりとあります。
また、オーディオメーカーの異業種進出での成功例としては、オーディオテクニカのすしロボットという有名な前例もあり、オンキヨーの試みも侮れないでしょう。
オンキヨーは本業のオーディオ事業はうまくいっていないのは確かですし、株価もかなり下がっています。世間ではかつての山水のようにもうすぐなりそう、などという声も残念ながらあります。
個人的には日本のオーディオメーカーにはどこにも頑張ってほしいですし、実際、オンキヨーのオーディオ機器もこれまでいくつも使ってきました。オンキヨーの持つサウンドも好きですし、これからもオーディオメーカーとして生き残って欲しいとも思います。
ネット上の声の中には、オンキヨーというきのこメーカーはオーディオ機器も作っていたんだ、と10年後にはなるかも、という冗談なのか皮肉なのかの声もありました。
それはそれで複雑な気持ちになりますが、オンキヨーがオーディオメーカーとして生き残れるのであれば、きのこメーカーとして成功してもいいかもしれません。そこまで思うくらい追い詰められているというのも残念ですが。
何とかオンキヨーが純粋にオーディオ機器の開発・販売でオーディオメーカーとして浮上できないものかと切に思います。