S.M.S.L 社のプリメインアンプ「AO200」の内容とレビュー情報をご紹介します。「AO200」は日本では2021年6月に発売。3~4万円台程度で販売されています。
製品の寸法は(長さx幅x高さ) 18.7 x 4 x 15.4 cmとコンパクト。重量は1.3kg。
このサイズにクラスDパワーアンプチップであるドイツ・Infineon Technologies製の「MA12070」を2基採用することで、50W×2(8Ω)のパワーをひねり出します。より低インピーダンスの条件では、90W×2(4Ω)、150Wx2(2Ω)となります。リニアリティは価格を考えると健闘していると言えるでしょう。スピーカー出力は1系統。
筐体はアルミのCNC加工。高品位な見た目に寄与するなだけでなく、小型筐体で効率的な冷却を行うのにも役立っています。
ボリュームは、NJRCの日本製電子ボリュームコントロールチップNJW1194を使用。
入力はXLRバランス、RCAアンバランス、Bluetooth無線、USBを各1系統装備。出力はスピーカーのほか、サブウーファー用プリアウトを1系統。ヘッドホン端子は搭載していません。
USBは16bit/48kHzまでの対応。ハイレゾには対応していません。PCとの直接接続のほか、USBメモリの接続にも対応しています。
BluetoothコーデックはSBC/AACに対応。
1.9インチのカラー液晶画面を搭載。ノブを使ってメニュー移動や決定を行えます。機能面では8種類のイコライザーやラウドネスを搭載。リモコンも付属しています。
入力:XLR、RCA、BT、USB
出力電力:150Wx2(2Ω)/ 90W×2(4Ω)/ 50W×2(8Ω)
S/N比:110dB
チャンネルセパレーション:96dB
全高調波歪+ノイズ(THD+N):0.003%
消費電力:40W
スタンバイ電力:0.5W
容積:210×40×170mm
重量:1.3kg
1万5千円程度で買えるSA300(同じアンプチップを搭載)の上位モデルということであり、SA300との比較では文句なく上位の音を聴かせてくれるようです。
音質については、オーソドックスなもののようで、妙な演出感の少ない、音源忠実度の高いもののようです。そのうえで、ノイズっぽさや付帯音の感じが価格を考えると少ないというのがハイコスパな評価の所以のようです。フィルターレス設計のためか、高域は一聴、鮮やかながらも、ノイズを感じるという人もいました。
入力は豊富ですが、USBの対応スペックは現代最新機としては物足りず、Blueoothも同様です。実際、これらのデジタル入力系はおまけ程度の品位のようです。
本機の真価はアナログ入力時、それもバランス入力時に発揮されるようで、入力に高品位なDACを使えばより本機の能力を発揮させられるようです。本機をパワーアンプとして使っているというユーザーもおり、プリ機能の優れた機器と組み合わせるのもよさそうです。