ソニーはAndroid OS搭載型のウォークマン(ポータブルオーディオプレーヤー)の新シリーズ「NW-A300シリーズ」2機種を2023年1月27日に発売します。オープン価格で税込みの実売予想価格はストレージ容量32GBの「NW-A306」が46,000円前後、64GBの「NW-A307」が57,000円前後。カラーはグレー、ブルー、ブラックの3色。
「NW-A300シリーズ」のおもな内容・仕様は以下のとおりです。
OS:Android 12
SoC:Qualcomm QCS2290(Snapdragon 630同等性能)
ディスプレイ:3.6インチ(1280×720・タッチパネル)
ストレージ:32GB (NW-A306)/ 64GB(NW-A306)(microSDカード対応)
通信機能:Wi-Fi a/b/g/n/ac、Bluetooth5.0
対応コーデック:SBC、AAC、LDAC、aptX、aptX HD
機能:DSDネイティブ再生(最大11.2MHz)やリニアPCM(最大32bit/384kHz)のハイレゾ音源の再生に対応。MQAやApple Losslessなどもサポート。
USB-DAC、S-Master HX、ハイレゾ、DSEE Ultimate、ソースダイレクト、ダイナミックノーマライザ、バイナルプロセッサ、360 RealityAudio
USBポート:USB 3.2 Gen 1 Type-C
ヘッドホン出力(3.5mmステレオミニのみ搭載):35mW+35mW
駆動時間:約11時間~約36時間
サイズ:98.4 x 56.5 x 11.8mm / 113g
カラバリ:グレー、ブルー、ブラック
価格:NW-A306(32GB)が46,000円前後、NW-A307(64GB)が57,000円前後
発売日:2023年1月27日発売
「NW-A300シリーズ」の詳しい機能や特徴は以下の記事で詳しくご紹介しています。
aptX AdaptiveやaptX Lossless送信、また、LE AudioといったBluetooth関係の最新規格に対応しているかは、最新のDAPとして気になるところです。
aptX AdaptiveやaptX Lossless送信は今回、aptX系コーデックに対応できそうなクアルコム社製のSoCを使っていること、LE AudioについてもソニーのBluetooth機器で受信対応機器が出てきていることなどから、「NW-A300シリーズ」での対応も期待できそうな感じがします。
しかし、結論から言うと、「NW-A300シリーズ」はaptX AdaptiveやaptX Lossless送信、また、LE Audioのいずれにも対応していません。また、今後のアップデート対応も予定していないとしています。メーカーへの取材を行っているオーディオ・ビジュアル系ニュースサイトの「AVウォッチ」でもこのことに触れており、「aptX Adaptiveには非対応で、LE Audioについては今後のアップデートなどでも対応の予定はないと」と明示されています。
どうやら、搭載しているSoC・Qualcomm QCS2290がaptX Adaptive(とaptX Lossless)、LE Audioに対応していないことが原因のようです。
Qualcomm QCS2290はSnapdragon 630からSIMでの電話機能を取り去ったようなチップですが、そのほかにもこのような制約が生じてしまうようです。
だったらSnapdragon 630を採用すれば、と思いますが、ソニーは音質上の理由からSIMでの電話機能を搭載したSoCをウォークマンに採用したくないとされており、これはDAPとしての音質重視の姿勢の結果と言えそうです。
なお、同様の理由で同時発表の上位モデル「NW-ZX707」もやはりaptX AdaptiveとLE Audio非対応となっています。
いわゆる中華メーカーはDAPに遠慮なくSIMでの電話機能を内蔵したSnapdragon系のSoCをバンバン採用しているのとは対照的です。