完全ワイヤレスイヤホンの注目モデル、ソニーの「WF-1000XM4」が6月25日に税込み実売価格約3.3万円で発売されました。
価格帯の近い競合機(おもにアクティブノイズキャンセリング機能を搭載している大手メーカー品)にとっては脅威となると捉えられているモデルであり、「WF-1000XM4」の発売時期に合わせて期間限定の値下げを行うメーカーもあります。
たとえば、Jabraも「WF-1000XM4」の競合よりはもともと安い「Elite 85t」を6/3より2週間限定で15%値下げしました(通常価格は税込26,800円で、税込22,600円程度に値下げ)。
値下げがあってもなくても「Elite 85t」は「WF-1000XM4」よりは価格帯がやや下のクラスで、それほど競合しているわけではないかもしれません。
ところが、ネット上での意見やレビューなどを見てみると意外にもこの2モデルを比較しているものがあります。
というのもJabraの完全ワイヤレスイヤホンはもともと、ヘッドセットとしての品位やマルチポイント対応など、ビジネス用ヘッドセットに実績あるメーカーらしく、他のオーディオ専業メーカーとは一味違う利点を持っており、すべてにおいて「WF-1000XM4」が優れているとは言えない面もあるからのようです。
両機の内容や、両機を聴き比べたユーザーなどのレビューも参考にしつつ、両機の比較をしてみたいと思います。
「WF-1000XM4」の詳しい内容についてはこちらでもご紹介済み。
「WF-1000XM4」の内容
新開発の統合プロセッサー「V1」を搭載。従来より処理能力を高めたことで、従来(「WF-1000XM3」)よりもノイズキャンセル機能が向上。
スピークトゥチャット機能(話し始めると自分の声に反応して外音取り込みモードに切り替わる)も新搭載。
ドライバーユニットには、専用設計の6mmダイナミックドライバーを採用。低音域のノイズキャンセリング性能および低音再生能力のどちらも強化。本体の防水はIPX4。
音質面では、新たにLDACコーデックに対応。そのほか、SBC/AACコーデックをサポート。AI技術を活用して最適なハイレゾアップスケーリングを行う「DSEE Extreme」にも対応。また、Hi-Res Audio Wirelessロゴ認証の取得に加え、立体音響「360 Reality Audio」の認定モデルになっています。専用アプリでの音質調整も細かく可能。また、アプリでは装着状態の最適化も可能。
Bluetoothのバージョンは5.2で、対応コーデックはSBC、AAC、LDACをサポート。ウェイクワードによる音声アシスタントの立ち上げも可能。
電池持続時間(連続音声再生時間)は、イヤホン単体で最大8時間(NCオン)/12時間(NCオフ)、ケース併用時で最大24時間(NCオン)/36時間(NCオフ)。
「Jabra アドバンスト ANC」を搭載。新たに採用したANC専用のチップセットにより、「より強力にノイズを除去し、かつそのレベルを自在に調整する」とのこと。さらに、外部の音を取り込めるHearThrough機能(外音取り込み機能)も、レベルの調整に対応。アプリに接続するとANCとヒアスルーのレベルをそれぞれ5段階で調整可能。
完全ワイヤレスイヤホンとしては大型の12mmスピーカーを搭載しているのも特徴。「豊かで迫力ある低音を生み出す」としています。
また、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載しているイヤホンとしては珍しい、セミオープン型構造を採用。快適な装着感や圧迫感の感じにくい使用感につながっています。イヤホン本体はIPX4防水。
対応コーデックはSBC・AAC。Bluetooth関連ではマルチポイント対応が特筆点。操作系は大手メーカー製の万単位の製品としては珍しく物理ボタン式なのも特徴。
ANC使用時、イヤホン単体で最長5.5時間、ケース充電と併せて最長25時間使える。Qi規格のワイヤレス充電器に対応。
音質最高→WF-1000XM4
ANC最強→Jabra Elite 85t
空間オーディオ→XM4 or AirPodsPro
外部音取り込み →XM4 or Galaxy Buds ProまぁXM4最強って言われますよねこりゃ
まあスマホで聴くならワイヤレスの方が便利だし、定番の「Elite 85t」や「FALCON PRO」とか、今週発売の「WF-1000XM4」とかで十分だけどね #nibutalk
多分これは好き嫌いあって、音楽中心だと Jabra Elite 85t の挙動がいいんだけど、Audible 聞いてるとか映画やアニメを見てる場合だと WF-1000XM4 の挙動のほうが良くて、カスタマイズできると嬉しい。まだカスタマイズ一切してないので出来るか分からんが。
WF-1000XM4のノイキャン85tより風ノイズ少なくて優秀。風ノイズ低減モードにする必要はあんまりないかな
WF-1000XM4 到着!!
ノイキャン性能も凄いのですが、音質がだいぶ良くないですか?
さすがに有線とまでは行きませんが、今使ってるゼンハの Momentum2 とか、Jabra の 85t より良い気がします。(あくまで個人… https://t.co/vg7D3GqHzA
WF-1000XM4の今ところの感想は、そこまで解像度高いイヤホンじゃないけど、情報量の多さからくる音の厚みが素晴らしく、バランスよく鳴るイヤホン。
低音やや強めで高音はそこまでキレッキレではないんだけど、普段使いには超優秀かな。
jabra 85t出番なくなりそう。
WF-1000XM4の充電ケースの大きさはこれで充分かと(右上。左上がJabra Elite 85t、下がJabra Elite 75t)。
ケースからの取り外し方は、両サイドを人差し指と親指でつまみ、そのまま引っ張るか、右の写… https://t.co/wl5TmvyuBS
左上がWF-1000XM4本体で右上がJabra Elite 85t、下がJabra Elite 75t。やはり少し大きい。
この中では付けやすさ、外れにくさ共にJabra Elite 75tが最強ですが(85tはノズル短すぎて外… https://t.co/TEei8KZJok
sony wf-1000xm4、スペックや動画だけ観た感じ個人的にはやっと jabra elite 85t と比較できるようになったか…って感じかな?
どこかでANCの効きと音質が好みかを試してみたい
wf-1000xm4の圧迫感は酔う。
Jabraの85tを買って良かった。
音質より着け心地を優先した。
Jabra Elite 85t と WF-1000XM4、どちらを使い続けるかかなり悩ましい。ノイキャン性能と耳へのフィット感だけなら Jabra Elite 85t なんだけど、それ以外のあらゆる要素が WF-1000XM4 の方が良いと言っている…。
WF-1000XM4(1.1.5)、Jabra Elite85t(
イヤーチップはCrystalline Audioに付け替え)との比較だけど、音はかなりXM4の方がいい。ただ、ノイキャンの安定性、接続の安定性は85tの方がいい感… https://t.co/Hnb2ryF4XW
WF-1000XM4、今日から実戦投入したけれど流石に音はElite 85tより良いものの全体的に「まぁこんなものか」感が強い。文句無く最強で感動した2年前の先代WF-1000XM3発売当時とは環境が激変して、競合もこちらの経験も… https://t.co/jZHB1odaj0
どーしても普段使っているElite 85tとの比較になってしまうのだけれど、比類無き高音質でモバイルオーディオとしてはWF-1000XM4、多機能パーソナライズでウェアラブルデバイスとしてはElite 85tが各々優れているので、要は方向性が違うのよね。 #WF1000XM4
Jabra Elite 85tとSONYのWF-1000XM4、マルチポイント付いてて多分普段使い最強の前者と音質がめっちゃいいらしい後者で悩んでたんですけど予想外のところで答えが決まってしまった https://t.co/PBhDUiv1qi
並べてみた感じだとWF-1000XM4のケースはElite 85tのものよりも小さい
機内でSONY WF-1000XM4とJabra Elite 85tを比較したけど、ノイズキャンセリングはWF-1000XM4のコールドゲームでしたね。ただ、再生・停止する時に一瞬だけノイズキャンセリング⇔外音取り込みに切り替わる… https://t.co/xCVx6QfLwE
jabra 85t、木綿2とWF-1000XM4を聞き比べてみた。
やはりこの二機種と比べるとトータルバランスがいいですね。特に85tは超低域が出てなくて、全体の音作りが高めの位置にあるように聞こえる。
木綿は元々中高域が薄めの音… https://t.co/bleIsK4BZ5
両機の内容と、両機を比較した方々の意見を見てみると、ある程度の傾向が見えてくるようです。
基本的に再生機としての音質は「WF-1000XM4」が優れているという意見が多いようです。とくにハイレゾ伝送のLDACコーデックを使って、ハイレゾ音源を聴くとなると差は大きいようです。ソニーもこの点を大きくアピールしていますから、非対応かつオーディオメーカーでもないJabraに負けるわけにはいかない領域でしょう。
ただ、CD品位程度のソースをAACコーデックで聴く場合は、あるいは個人の好みで選べるような感触もあるようです。
また、一般に振動板の口径が大きいと余裕のある低音再生ができると言われますが、この点では「Elite 85t」が12mm、「WF-1000XM4」が6mmと大きな差があり、これだけが理由とは限りませんが、低音の豊かさは「Elite 85t」という意見は見られます。
これもソニーが大きな自信をもっているANC性能については、「WF-1000XM4」が優れているという意見が多いようです。ただ、「Elite 85t」も大きく劣っているわけではなく、人によっては「Elite 85t」も同じくらいと評しており、それほど強力なANC性能を求めないのであれば「Elite 85t」もアリな印象です。
装着感については「Elite 85t」のほうが良いという意見が多く、これは「WF-1000XM4」の多機能優先のマイナス的な影響が理由なのかもしれません。「Elite 85t」が装着感が密閉型より良くなりがちなセミオープン型なのも大きいのかもしれません。
操作感についても、「Elite 85t」の物理ボタン式は確実性が高いと評価する向きがあります。そもそもこの価格帯ではタッチ式が主流であり、あえて物理ボタンを採用しているのがJabraと言えるわけです。
「Elite 85t」の特筆点としては、完全ワイヤレスイヤホンとしては珍しいマルチポイント機能への対応があります。スマホの2台同時待ち受けが可能になります。
比較ポイントとして重要な通話品位についてはまだあまりユーザーによる比較がありません。ただ、もともとJabraはビジネス用ヘッドセットに実績あるメーカーであり、以前から完全ワイヤレスイヤホンのなかでも通話品位はかなり上位と言われています。ヘッドセットとして長時間使うのであれば、装着感のよさも合わせて「Elite 85t」が有利かもしれません。
「WF-1000XM4」は再生音質重視の方には多くの場合で「Elite 85t」よりも優れているとは言えそうです。それでいてANC性能も同等か「WF-1000XM4」が上回っているとなると、全体的に「WF-1000XM4」が有利そうです。
ただ、マルチポイントが必要、操作系は物理ボタンが好ましい、長時間使う(特にヘッドセットとして)場合の装着感など、条件によっては「Elite 85t」のほうが優れている場合もあるようです。