JBL L75ms 一体型オーディオシステム
ハーマンインターナショナルは、JBLブランドの新製品として、一体型オーディオシステム「JBL L75ms」を2022年3月下旬に発売しました。価格は198,000円。
JBL創立75周年記念モデルの第3弾
JBL創立75周年記念モデルの第3弾となる製品で、インテグレーテッド・ミュージックシステムと称しています。JBLは、昨年夏に第1弾となるスピーカーの「L100 Classic 75」を、昨年秋に第2弾となるプリメインアンプ「SA750」をリリースしていました。
現代的な入力に漏らさず対応しているのが特徴
一体型のアンプ内蔵ステレオスピーカーシステムであることを基本に、アナログ・デジタル音声入力をはじめ、ワイヤレス入力やHDMI入力にも対応するなど、現代的な入力に漏らさず対応しているのが特徴。フォノMM入力も備え、レコード再生にも対応します。
「最新の音楽ストリーミングサービスから従来のアナログレコードまで、すべての音楽ソースをより手軽に楽しむことをコンセプトに、アメリカ カリフォルニア州ノースリッジに拠点を構えるJBLサウンドラボにおいて設計・開発された」としています。
ワイヤレス接続では、Bluetoothに加え、AirPlay 2、Google Chromecastにも対応。Bluetoothはバージョン4.2に対応。Bluetooth入力はとくにハイレゾコーデックには対応していないようです。
独自の「Music Life」アプリを使用すると、UPnPでLAN上にある音楽ファイルのネットワーク再生も可能。ネットワークオーディオプレーヤーとしても利用可能ということです。
再生対応ファイルは、AAC/AIFF/Apple Lossless/DSD(PCM変換)/FLAC/MP3/OGG/WAV/WMA。対応サンプリングレートは192kHzまで。
有線接続用端子として3.5mmのAUX入力と、アナログレコード再生用のPhono入力(MM)も搭載。さらに、HDMI入力端子も搭載(ARC対応)。なお、HDMIで再生可能な音声は2ch PCMのみ。サブウーファー出力(RCA)も備えているので、低音再生をさらに充実させることもできます。
ユニットやアンプの構成
スピーカーユニットは、133mm径ウーファー×2基、25mm径ツイーター×2基、100mm径ミッドレンジ×1を組み合わせた5ユニット構成。周波数特性は45Hz~25kHz(-6dB)。
各ユニットは、それぞれ独立したDSP制御およびパワーアンプ駆動によってドライブ。アンプの総合出力は350W。出力から推測するにおそらくD級パワーアンプを採用しているものと思われます。
サラウンドデコーダーは搭載していませんが、リモコンのSFXボタンのオンにより、ステレオ感がより強く感じられる再生が可能です。
レトロな雰囲気のウォールナット天然木突板仕上げのキャビネット
デザインは、「JBL L-Classic」シリーズを踏襲。ウォールナット天然木突板仕上げのキャビネットと、マグネット着脱式のQuadrexフォームグリルを採用。いわゆるレトロなスピーカー的なデザインが特徴的ですが、本機の場合はさらに、往年の名機・パラゴンを思わせる一体型の木製デザインとなっていることも大きなポイントでしょう。
外形寸法は790×287×216mm(幅×奥行き×高さ)で、重量は15.9kg。Bluetoothリモコンも付属。
JBL L75ms レビューサイト情報
なかなか独特な立ち位置のスピーカー?
一体型オーディオシステムとしてはやや高額な印象も受けそうですが、これだけの機能・内容を備えた単品コンポをアンプ、DAC/ネットワークオーディオプレーヤー、スピーカーで別々に揃えることを考えればむしろ安いくらいの印象。ただ、実際の用途としては従来型のミニコンポの置き換わりや、最近はやりのサウンドバー、さらにはホームオーディオの主流になった感のあるBluetoothスピーカーといった、ゼネラルオーディオ的な機器の範疇と考えれば高いという印象も仕方なさそうです。
HDMI入力を備えた横長の一体型スピーカーという形態は、サウンドバー的な部分もあるように見えます。ただ、各種サラウンド信号や、本機でのバーチャルサラウンド再生には対応していないので、やはり、純粋な音楽再生向けの色合いが濃いようです。サイズや重量もサウンドバーにしては大きく、重いですし。
JBL L75ms レビューから読み取れる傾向
本機のレビュー記事は発売直後ではAVウォッチくらいしかありませんが、使いこなしを含めて詳しいレポートが載っているので、十分に役立ちます。
Apple Music、Amazon Musicともに問題なくCastしてのストリーミングはできるそうですが、360 Reality Audio、Dolby Atmosでエンコードされたソースは、本機が360 Reality Audio、Dolby Atmos対応機ではないため、立体音響を十全に楽しむことはできません。このあたりはJBLはサウンドバーも多数手がけているだけに、今後どうにかできるなら何とかして欲しいところです。
レビュー記事を参考にすると、音質的には満足のできる製品のようです。レビュー記事ではXLR入力を付けて欲しかったという要望があるのも面白いところ。それだけ、アナログ入力時のアクティブスピーカーとしての基本的な音質性能が高いことをうかがわせます。手元に高音質なアナログ出力が可能なプレーヤー機器を持っている場合は、本機の内蔵再生ではなく、そちらから再生したほうが音質が良くなる可能性があるということでしょう。
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