Cayin C9 真空管「Nutube」搭載のバランス接続対応ポタアン
11月7日に開催された「秋のヘッドフォン祭2020 ONLINE」において、コペックジャパンは、中国・Cayin(カイン)のポータブルヘッドホンアンプ・C9を発表しました。
年末の国内発売予定で、価格は未定としています。
真空管「Nutube」搭載とバランス駆動を両立
すでに海外ではちらほら情報が出ていたモデルで、最大の特徴は、真空管「Nutube」を搭載していること。また、これまでに発売されているNutube搭載型のヘッドホンアンプやDAP(同社の「N8」など)と異なり、バランス回路で構成されていることも大きなポイントです。
また、通常の半導体式の回路も搭載。真空管と半導体を切り替えて楽しめるようになっています。
入出力端子はともに3.5mm/4.4mmジャックを1基ずつ搭載した純アナログ構成。これにより、アナログバランス出力を搭載した機器との接続で、フルバランスでのイヤホン・ヘッドホンの駆動が実現します。
ヘッドホンアンプ部は、A級とAB級の切替も可能。増幅方式の違いによる音の違いも楽しめます。
バッテリー交換可能も特筆点
さらに、バッテリーは交換可能なモジュール方式を採用。専用の交換用バッテリーを用意することで、購入時のバッテリーが消耗しても自分でバッテリーを交換して使い続けることができます。最近のポータブルオーディオ機器は内蔵バッテリーが自分では交換できない構造になっていることが多く、そもそもバッテリー交換が不可というモデルも多いだけに、機器を長く大切に使うという観点から注目したい装備です。
同社のDAP・N6ⅱ、モジュール・A02との組み合わせも想定
Cayinは10月末に同社のDAP・N6ⅱ専用のDAC/プリアンプモジュール「A02」を発売。「A02」はヘッドホンアンプを持たず、ライン出力かプリ出力というDAP用モジュールとしてはかなり変わった内容ですが、外部にさらにアナログタイプのヘッドホンアンプを加えて使うことを想定しているためです。そして、「A02」と組み合わせて使うヘッドホンアンプとして想定されているのがこの「C9」だとしています。
「A02」についてはこちらでご紹介しています。
「A02」は税込み約4.8万円ですが、「C9」は10万円以上はするのではないかという憶測もあり、N6ⅱも12万円以上しますので、3台用意して再生環境を整えるとなかなかの額になります。
また、「C9」の重量は550g。これだけでも重量級のDAPを超えるだけに、これら3台を実際に屋外に持ち出して使用するのは大変そうです。
とは言っても、ネット上を見てみると「A02」を買った人はすでに多く、また彼らの少なくない人たちが「C9」への購入意欲を示しています。ポータブル愛好家の熱はやはりたいしたものです。
その背景には、Nutube搭載とバランス回路、A級動作の3つの要素を満たしている稀有な機種であることがあるのだと思います(ポータブルヘッドホンアンプ+Cayin)。
コメント