EARIN A-3 あのメーカーからついに完全ワイヤレスイヤホン新モデル?
完全ワイヤレスイヤホンの草分け的存在であるスウェーデンの「EARIN」が新モデル「EARIN A-3」を開発しているようです。実力派メーカーながらこのところ音沙汰のなかった「EARIN」だけに大いに注目の話題です。(記事トップの写真はA-3ではなく、既存モデルのEARINです)
完全ワイヤレスイヤホンの草分け的存在であるスウェーデンの「EARIN」
完全ワイヤレスイヤホン黎明期の2015年に第1弾製品の「EARIN」をリリースし、そのコンパクトさと完成度の高さで、一躍有名になったのがスウェーデンの「EARIN」。
また、その製品開発に当時はまだ一般的ではなかったクラウドファンディングを活用し、150万ドルの出資金を集めたことも話題となり、その後のポータブルオーディオ界やデジタルガジェット業界におけるクラウドファンディングの活用という新たな潮流を作り出したメーカーのひとつとしても先進的な存在です。
その後も2017年に「EARIN」後継機「M-1」、2018年にはさらなる新製品「M-2」をリリースし、完全ワイヤレスイヤホン市場をけん引してきました。
当初は、大手メーカーの参入も少なく、しかも「EARIN」のような小型化や、専用アプリの用意などの完成度の高さに追随できるところは少なく、また、音質面でも最初からBA型ユニットを採用した高音質志向も特徴ですが、これも追随するメーカーは少なく、最初の2年ほどはかなりの存在感を示していました。
AirPodsの流行あたりから「EARIN」の存在感に陰り
しかし、AirPodsの販売をはじめ、続々大手が参入。小型化や音質面では必ずしも大手が優れているわけでななくとも、AirPods系の圧倒的な独り勝ち状態に大手のソニーやボーズなどが続く状況になると「EARIN」の存在感は急速に小さくなっていきます。市場の急速な拡大化と一般化による、求められる製品への性能へのユーザーとの感覚のずれもあったかもしれません。「EARIN」は小型化と音質優先のため、バッテリー持ちは短いという弱点もありましたから。
ついには、2018年1月、レコーディングアーティストwill.i.amの家電会社i.am +がEarinを購入したことがCESで発表されます。しかしながら、取引は成立せず、2019年5月に「未履行の義務」のために完全に中止されます。
その後、「EARIN」から新製品は発表されていませんし、そもそも会社がどうなったのかもよくわかりませんでした。とはいえ、既存モデルの販売は辛うじて継続されていますし、国内代理店もあるにはあるので、再起を図っていたようです。
EARIN A-3で再始動か?
そして、現在、どうやら「EARIN」が再始動したようです。
「EARIN A-3」と呼ばれる完全ワイヤレスイヤホン新モデルの開発をうかがわせる情報がネット上(FCC)に上がっており、それを日本の完全ワイヤレスイヤホン愛好家も発見し、話題になっています。
【2020最新】BLINKY@低級国民@foobar200000
EARIN から 2年ぶりに M-2 の後継(?) となる完全ワイヤレスが発売される模様。型番は M-3 ではなく &vquot;A-3&vquot;なので、もしかすると ANC が付いているのかも
詳細はまだわかりませんが、もしかして現在の完全ワイヤレスイヤホンでは重視されるアクティブノイズキャンセリング機能が付いているのかもしれません。型番のこれまでの延長のMではなく、アクティブノイズキャンセリングの頭文字とも受け取れるAを冠していることからも期待はしたいところです。
ただ、かつてのブランドを知っている完全ワイヤレスイヤホンの愛好家からは、やはり往年の小型筐体と洗練されたデザイン、そして高音質の維持だけは確保して欲しいという声が大きいようです。
これだけたくさんの完全ワイヤレスイヤホンがある現状です。「EARIN」にはまた最初のような独自の価値観を貫き通して欲しいものです。それが険しい道だとしても。
2021年1月7日追記:EARIN A-3が正式に海外発表されました
2021年1月7日追記:EARIN A-3が正式に海外発表されました。価格は199ドル。「世界最小かつ最軽量」とアピールするのが大きな特徴。機能としてはアクティブノイズキャンセリング機能は搭載しない音楽再生とヘッドセット機能という一般的なタイプ。また、形状はこれまでのカナル型ではなく、インナーイヤー型。ユニットもBAではなく、14.3mmのカスタムダイナミックドライバーを搭載。
特許取得済みの自動配置認識技術により、左右の区別なくイヤホンを使用できるのも特徴。片耳使用もできます。
Qualcommの「QCC5121」を搭載。Bluetoothはバージョン5.0で、True Wireless Stereo Plusをサポート。プロファイルはHFP/A2DP/AVRCP/RFCOMM/SDP/L2CAP、コーデックはSBC/AAC/aptX/aptX LLに対応。
連続再生時間はイヤホン単体で最大5時間、付属の充電ケース併用で最大30時間の使用が可能。操作はタッチ式。またIP52定格の防水・防塵性能を装備。充電端子はUSB-Cでワイヤレス充電にも対応。
思ったほどは驚くようなモデルではなかったと、国内の完全ワイヤレスイヤホン愛好家の間では受け止められている印象。それでも、「世界最小かつ最軽量」が本当ならば、やはり最新モデルとして一定の価値や注目は集めそうです。
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