FIIO K9 AKM 据え置きDAC/ヘッドホンアンプ 約8.9万円

FIIOは据え置き型のDAC/ヘッドホンアンプ/プリアンプ・K9 AKMを2024年1月19日に発売しました。オープン価格で税込みの実売価格は約8.9万円程度。従来機・K9(2023年発売・実売約8万円)の後継機。DAC部からアンプ部まで完全バランス設計を実現したハイパフォーマンス機。

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IIO K9 AKMと従来機 K9 無印(ESS)と比較しての違い

K9 AKMの内容・特徴を、従来機・K9と比較しての違いを交えてご紹介。

DACチップに「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載

K9がESS製の「ES9068AS」のデュアル構成でしたが、K9 AKMでは旭化成エレクトロニクス(AKM)のオーディオ向けDACチップのフラッグシップシステム「AK4191EQ+AK4499EX」を搭載。

高性能・ハイスペック、そして高音質にすでに定評のあるチップであり、音質的な向上が期待されます。

また、新設計技術によるデジタル/アナログ完全分離構造と、新開発の「DWA ROUTINGテクノロジー」を採用し、K9よりも高いS/N比を実現しています。

DACチップの変更により、フィルター切り替えがK9の3つから6つに増えています。

・LO S/N比

K9 AKM
SE:≧123dB
BAL:≧128dB

K9
SE:≧119dB
BAL:≧124dB

・PO S/N比

K9 AKM
SE:≧126.5dB
BAL:≧122dB

K9
SE:≧124dB
BAL:≧119dB

・LO ノイズフロア

K9 AKM
SE:<1.8μV
BAL:<1.8μV

K9
SE:<2.9μV
BAL:<3.1μV

・PO ノイズフロア

K9 AKM
SE:<3μV
BAL:<5.7μV

K9
SE:<4.8μV
BAL:<7.1μV

USB入力にUSB Type-Cが追加

K9 AKMの入力はK9と同じくUSB Type-B、同軸デジタル、光デジタル、4.4mmバランス、RCAラインを装備。

加えて、K9にはなかったUSB Type-Cも側面に搭載。USB入力の汎用性・利便性が高まっています。

音質の違い

DACチップの変更により、音質も変わっているようです。K9はESSのチップとFIIOの基本的な音質が相乗したような、ソリッドでクリアなややクールなモニターライクな音質と言われています。低音も締まっているようです。

一方、K9 AKMではAKMのDACチップ全般や「AK4191EQ+AK4499EX」搭載機で言われているような、ややウォームで艶やかな、リスニング寄りのサウンドとなっているようです。低音は量感もあるようです。音の情報量はどちらも多く、K9 AKMがむしろ多いくらいのようです。

このあたりの音質比較は、AVウォッチの比較試聴記事でもわかりやすく触れられています。

女性ボーカル最強、AKM最上位セパレートDAC搭載で使いやすくなったFIIO「K9 AKM」を聴く[Sponsored]
自宅で音楽を楽しむ際、「本当はスピーカーを使いたいけど置く場所がなくて……」「家族やご近所さんに音漏れしたら迷惑にもなるし……」と、ヘッドフォンやイヤフォンを使っている人も多いはず。筆者もそんな一人だ。

FIIO K9 AKM 内容・特徴(K9とも共通)

以下はK9 AKMとK9に共通の内容・特徴です。

外形寸法は200×224.5×72mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約2,660g。

ボディはアルミニウム合金製で、ストレッチ加工やCNC加工して成形された部品を組み立てることで、高剛性のボディを実現。付属のスタンドで縦置きにも対応。

ヘッドホン端子は4.4mmバランス、6.35mmシングルエンドの2系統。ヘッドホンアンプ出力はシングルエンドで32Ω負荷時1,500mW以上、300Ω負荷時200mW以上、バランスで32Ω負荷時2,000mW以上、300Ω負荷時780mW以上。

UAC1.0規格と2.0規格、両方の規格での接続に対応。家庭用ゲームコンソール等も含めた様々な機器との接続互換性を実現しています。

・PCMは最大で768kHz/32bit、DSDは最大でDSD512の再生にネイティブで対応
・XMOS製「XUF208」と二系統の超高精度水晶発振器を搭載
・Qualcomm製「QCC5124」を搭載
・SBC、AAC、aptX、aptX HD、aptX LL、aptX Adaptive、LDACに対応
・FIIOとTHXの共同開発による「THX-AAA 788+」ヘッドホンアンプ回路を2基搭載
・DAC部からアンプ部に至るまで完全バランス設計
・オーディオ回路は「DAC、ローパスフィルタ、ボリュームコントロール、バッファアンプ、プリアンプ、ヘッドホンアンプ」の6ブロックに分離
・3段階ゲイン切り替え可能
・ヘッドホン推奨インピーダンスは16~600Ω
・左右の音量差やノイズを排除した120ステップのADCボリュームコントロール機能搭載
・可変ラインアウト機能でプリアンプとしても使用可能
・スマホ・タブレット用アプリ「FIIOコントロール」と連携することで、細かい設定が可能
・入力端子はデジタル入力がUSB-B、(USB-C 「FIIO K9 AKM」のみ)同軸デジタル、光デジタル。アナログ入力が4.4mmバランス、RCA。各1系統ずつ
・出力端子は、ヘッドホン出力として4ピンXLRバランス、4.4mmバランス、6.35mmステレオを装備。ライン出力としてRCA、3ピンXLRバランス。各1系統ずつ

それぞれのおすすめのユーザーや使い方

FiiO K9 AKMとK9の違いを踏まえて、それぞれのおすすめのユーザーや使い方を分析・考察すると、以下のようになります。

K9 AKMがおすすめのユーザーや使い方

音質重視のユーザー

K9 AKMは、K9よりも高性能なDACチップを搭載しており、より豊かな音場や細やかな音の表現を楽しむことができます。また、S/N比やノイズフロアも向上しているため、より静かでクリアな音質を実現しています。

低音域を重視するユーザー

K9 AKMは、K9よりも低音域の量感をアップさせています。そのため、ロックやEDMなどの低音の多いジャンルの音楽を聴く際に、より迫力のある音を楽しむことができます。

USB Type-C入力を利用するユーザー

K9 AKMは、K9にはなかったUSB Type-C入力を搭載しています。そのため、スマートフォンやタブレットなど、USB Type-C端子を搭載したデバイスと簡単に接続することができます。

K9がおすすめのユーザーや使い方

コストパフォーマンス重視のユーザー

K9 AKMは、K9よりも約1万円高価です。そのため、コストパフォーマンスを重視するユーザーには、K9がおすすめです。

モニターライクな音質を好むユーザー

K9は、K9 AKMよりもソリッドでクリアな、ややクールな音質です。そのため、モニターライクな音質を好むユーザーには、K9がおすすめです。

どちらをどう選ぶかのまとめ

K9 AKMは、音質や機能面を向上させた上位モデルです。そのため、音質重視のユーザーや、低音域を重視するユーザー、USB Type-C入力を利用するユーザーには、おすすめです。一方、コストパフォーマンスを重視するユーザーや、モニターライクな音質を好むユーザーには、K9がおすすめです。

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