FiiOの新フラグシップDAP・M17の情報が本国で発表されました。
M17は、現行最上位DAP・M15のさらに上を行く新フラグシップDAPであり、2019年から製品構想が始まりました。そして、2020年内の発売を目指していましたが、そこに旭化成の火事があり、2021年に発売がずれ込んだということだそうです。つまり、本当は旭化成のDACチップを使う予定であったということです。
FiiOはくじけずに?DACチップをESSの「ESS9038Pro」2基に変更し、2021年7月以降の発売を目指しているのだそうです。価格は1万元(16万円)以上とのこと。
現時点で分かっている内容としては、ヘッドホンアンプはデスクトップ用の「THX788PRO」を採用 (32Ω 1200mW + 1200mW以上、300Ω 350mW + 350mW以上)。ヘッドホン端子は標準で6.3mm標準、3.5mmステレオミニ、そして4.4mmバランスを装備。
プロトタイプのデザイン写真も公開されており、DAPとしては大きめのサイズ感でデザインはゴツい印象。重量は600g程度とのこと。それでも、片手で持って操作できるように配慮しているそうです。デザインについては、側面に特徴があり、しかも発光するそうで、真空管の発光というか、ゲーミングデバイス的な発光も感じさせるようで、ちょっとこのデザインについては日本国内での反応は賛否両論の感じです。
高級DAPもいろいろ出尽くした感もあり、なかなか差別化というか、常に新しいアピールポイントを盛り込み続けるのも難しくなっている印象もあります。
その中で本機は、ヘッドホンアンプにはデスクトップ用の「THX788PRO」を採用しているのが差別化ポイントでしょうか。THXのヘッドホンアンプは高音質なヘッドホンアンプの代名詞となりつつありますが、DAPではポータブル向けのバージョンの使用が普通なので、据え置き用を使用となると、ヘッドホンアンプの音質が最大のアピールポイントであるべきDAPとしてはユーザーの心に響きそうです。
ただ、FiiOではヘッドホンアンプのパワーにもこだわり、本機でもなんと2000mWの出力も目指すかも、としています。ポータブルヘッドホンアンプであまりパワーが大きいと、イヤホンのなかには音が大きすぎるといった問題も起こりかねません。実際、ハイパワーが特徴のひとつであるiFi Audioのヘッドホンアンプなど、ハイパワーすぎてイヤホン使用に支障があるという声もあります。
もっとも、FiiOもそのあたりはわかっていて、ゲインの調節や高精度で細かく調節できるボリュームといった機構でうまくそのあたりはかわしてくれるのでしょう。
いずれにしても、正式発表に大いに期待しましょう。
本機のティザーサイトが公開されるとともに、国内初の試聴イベントが行われました(ヨドバシカメラ主催の試聴イベント「音フェス」10/16・17)。
発売日と価格はまだ未定ですが、なんと、DCモード(コンセントからの給電)時用の冷却ファンが付属することが明らかになりました。いろいろな意味でポータブルの枠を超えるDAPになりそうです。