東芝 REGZA Z740XS 新4K液晶テレビ
東芝は4K液晶テレビのZ770Xシリーズをモデルチェンジ。新たにZ740XSシリーズとして、2021年3月5日から順次発売しています。50型の「50Z740XS」、55型「55Z740XS」、65型「65Z740XS」の3モデルをラインナップ。いずれもオープン価格で、実売予想価格は50型がまだ不明、55型が21万円前後、65型が28万円前後。
従来の「Z740X」シリーズと比較しての違いを中心に「Z740X」シリーズをご紹介
従来の「Z740X」シリーズと比較しての違いを中心に「Z740X」シリーズをご紹介します。
両機の違いの概要
結論から言うと、画質や音質を向上させていますが、HDMI入力周りの性能、機能性は従来同等なので、PS5のような最新のHDMI2.1で実装される4K/120Hz対応のような機能・性能を期待している向きには従来機とはそれほど変わらないテレビと言えます。
ただ、着実に画質と音質はアップデートされているので、最新ゲーム機を使うのではなく、放送波はじめ、映画、ドラマ、スポーツなどの一般的な映像コンテンツを楽しむ分には従来よりも高品位となっていると思われます。
「Z740X」シリーズの画質面の内容
液晶パネルの構成自体(VA型)と映像エンジン「レグザエンジンCloud PRO」はZ740Xと同等。4K/3,840×2,160ドットの倍速対応で、LEDバックライトは全面直下型。パネル構成は同じものの、LED性能が向上し、輝度が前機比で10%アップ。そのぶん階調再現力を高められ、基本的な再現性をアップしたとしています。
また、とくに人肌の再現・描写に関して、学術的な見地を採り入れた「ナチュラル美肌トーン」回路によって高画質化させたというのが新たなポイント。
これにより、
・地デジAIビューティPROⅡ(ナチュラル美肌トーン対応)
・ネット動画ビューティPROⅡ(ナチュラル美肌トーン対応)
というように映像コンテンツ別の高画質化回路も人肌部分の高品位化を加えてマーク2化されています。
クラウドを活用したレグザ独自の画質向上技術「クラウドAI高画質テクノロジー」も改善。番組ごとに個別に画質最適化する機能ですが、対象番組が広がり、ほとんど全ての地デジ番組と、主要なBS・BS4K番組を対象になったとしています。
視聴環境に合わせ、画質を自動調整する「おまかせAIピクチャー」では、ブルーライトカット機能を新たに搭載。とくに夜間の鑑賞時に効果的な機能なため、健康にも優しくなっています。
対応するHDR規格は、HDR10、HLG、HDR10+に加え、新たにHDR10+ ADAPTIVEもサポート。照明条件に合わせてHDRを最適化できる新規格であり、サポートしているに越したことはないでしょう。
「Z740X」シリーズの音質面の内容
音質面では総合出力80Wの「重低音バズーカオーディオシステム PRO II」を採用。25mmシルクドームツイーターとフルレンジを組み合わせた2ウェイスピーカーユニットやアンプは従来同様ながら、ユニットのクロス特性を急峻化した高遮断クロスオーバーフィルターを新採用。音のクリアさと低音の質を向上させたとしています。
またパンチングメタル素材のスピーカーグリルを新開発。剛性が上がり、振動抑制・付帯音を軽減。開口率も改善され、聞き心地のよいクリアな音質になっているとしています。
「Z740X」シリーズの機能や入出力の内容
そのほか、リモコンには新しく「おすすめ番組」ボタンを設置(代わりに字幕ボタンは廃止)。従来よりもおすすめ番組に到達するのが早くできるようになりました。リモコンの色もシルバーから黒に変更されています。リモコンの内蔵マイクを使った「レグザボイス」やスマートスピーカーを使った音声操作にも対応。
各種ネット動画サービスにも従来同様対応。
HDMI入力は4系統。4K/60p 12bit信号のほか、PCゲームの1080/120pや2,560×1,440/60p入力をサポートする。HDMI 2.1規格の1つで、ゲームを表示すると自動でゲームモードに切り替わるALLM(Auto Low Latency Mode)に引き続き対応。
ただし、eARCやVRR、4K/120pはこれも従来通り非対応。このあたりはLGのテレビなどとは差があります。
コンポジット映像・LRアナログ音声入力が各1系統。光デジタル音声出力、ヘッドフォン出力を各1系統。USB端子は4系統(うち2系統がタイムシフトマシン専用)。こうした端子類も従来同様。
デザイン面では本体足回りのデザインが変更になっています。
画質向上がメインで、マイナーチェンジという印象
本当に画質向上がメインで、マイナーチェンジという印象。今年はPS5などの登場もあり、HDMI2.1対応度を高め、4K/120Hz入力対応など、テレビに求められるHDMI周りの性能は高まっていますが、とりあえず、本シリーズでは対応しませんでした。その分、価格は抑えめというところもあるのでしょうが、機能的には同一といってよく、画質面でも完成度の高い従来機「Z740X」シリーズが実売価格が安くなってしまうと、本「Z740XS」シリーズの存在意義は薄れそうです。
ゲーマーを中心に早くも「Z750X?」の登場が期待されてしまうようなところもあります(4K液晶テレビ+東芝)。
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