東芝 REGZA Z770Lシリーズ 4K液晶テレビ
TVS REGZAは、4K液晶テレビ・レグザ「Z770L」シリーズを2022年6月下旬より発売します。
広色域量子ドットパネルを搭載した4K液晶テレビ。REGZAブランドとしてはじめて、ミニLEDバックライトと広色域量子ドットパネルを搭載したフラッグシップ4K液晶テレビ「Z875L/Z870L」シリーズの下位モデルとなるミドルクラス機です。従来モデル「Z740XS」の後継機。
シリーズのラインナップと発売当初の税込み実売価格は以下のとおりです。
4K液晶レグザ「Z770L」 8月発売
・75型「75Z770L」 約37.5万円
・65型「65Z770L」 約31万円
・55型「55Z770L」 約25.5万円
「Z770L」シリーズの内容・特徴について、「Z875L/Z870L」シリーズと比較しての違いを交えながらご紹介
「Z770L」シリーズの内容・特徴について、「Z875L/Z870L」シリーズと比較しての違いを交えながらご紹介。
量子ドットシートを採用 ただし「Z875L/Z870L」シリーズと異なりミニLEDは非採用
「Z770L」シリーズは、ミドルクラスでありながら、高効率な色変換を可能にする量子ドットシートを採用しているのが特徴。
REGZAの上位「Z875L/Z870L」シリーズや、ソニー「X95K」、シャープ「DP1」、LG「QNED85」などの2022年モデルの量子ドット採用テレビは“ミニLED×量子ドット”のコンビで搭載されているのが普通ですが、「Z770L」シリーズではバックライトに通常サイズの青色LEDを使用することで、画質向上とコスト抑制を両立しているのが特徴。
参考：“ミニLED×量子ドット”の上位「Z875L/Z870L」シリーズの発売当初の税込み実売価格
4K液晶レグザ「Z875L」
・75型「75Z875L」 約55万円 6月下旬発売
・65型「65Z875L」 約41.8万円 同上
4K液晶レグザ「Z870L」
・55型「55Z870L」 約30.8万円 6月下旬発売
「Z770L」シリーズは4K/3,840×2,160ドットの倍速液晶パネルを採用。新開発の直下型・高輝度青色LEDバックライトと量子ドットシートを組み合わせた構造により、従来モデル「Z740XS」に比べ、広い色域と鮮やかな色再現性能を獲得。さらにLEDを制御するエリアコントロール技術（部分駆動）も搭載しています。
上位「Z875L/Z870L」シリーズは直下型・高輝度青色LEDバックライトではなく、ミニLEDバックライトシステムによってさらなる細かいバックライト制御による緻密で自然な明暗のコントラストを実現しているのが違いとはなります。
ミニLEDと量子ドットシートのコンビであれば、高い画質を実現できるが、それではコストが数十倍になってしまうことと、実際の画質のバランスを考えて「Z770L」シリーズが登場したということです。
映像エンジンには「レグザエンジンZR II」を採用
映像エンジンには高画質と快適な操作性を両立する新世代「レグザエンジンZR II」を採用。これは上位の「Z870L」シリーズで採用されているものと同じもの。各種処理を1チップで完結させる高性能プロセッサ。
美肌フェイストーンZRII
ネット動画AIビューティZRII
地デジAIビューティZRII
クラウドAI高画質テクノロジー
といった高画質処理を行います。
なお、「Z875L」シリーズはより高性能な「レグザエンジンZRα」を採用。
美肌AIフェイストーンZRα
ネット動画AIビューティZRα
地デジAIビューティZRα
新しい超解像技術「AIナチュラルフォーカステクノロジー(立体感復元超解像技術)」
という高画質処理を行います。
「Z875L/Z870L」シリーズはミニLED+量子ドットという基本構成と、タイムシフトマシンを搭載するなどの機能面は共通のため、ひとくくりにしていますが、映像エンジンが上記のように異なっていることには注意してください。
東芝 REGZA Z875LシリーズとZ870Lシリーズを比較しての違いについての記事もこちらでご紹介しています。
「重低音立体音響システムZ」を搭載
「Z770L」シリーズは総合出力60W(同時駆動)の「重低音立体音響システムZ」を搭載。Dolby Atmosにも対応。「複数スピーカーが立体的で重厚なサウンド、パワフルで臨場感あふれるサウンドを再現」するとしています。
スピーカー構成は、フルレンジ×2(75型のみ4基)、ツイーター×2、トップツイーター×4、ウーファー×1。
テレビの設置環境に応じて音響特性を補正する「オーディオキャリブレーション」機能も新搭載。
「Z875L/Z870L」シリーズは総合出力70Wの「重低音立体音響バズーカZP」を搭載。Dolby Atmosにも対応。フルレンジ×2、ツイーター×2、トップツイーター×2、ウーファー×1という構成。
「Z770L」シリーズはスイーベルスタンドを採用
「Z770L」シリーズはスイーベルスタンドを採用。画面の向きを楽に変えられます。「Z875L/Z870L」シリーズにはないため、この点では勝っていると言えるでしょう。
「Z770L」シリーズと「Z875L/Z870L」シリーズに共通の内容
以下、「Z770L」シリーズと「Z875L/Z870L」シリーズに共通の内容となります。
HDR規格
HDR規格は、HDR10、HLG、HDR10+、HDR10+ ADAPTIVE、DOLBY VISIONに加え、DOLBY VISION IQに対応。
地デジ番組を最大6チャンネルまるごと録画する「タイムシフトマシン」を内蔵
地デジ番組を最大6チャンネルまるごと録画する「タイムシフトマシン」に対応。USB HDDを別途用意すれば、最大6チャンネルをDRモードで約80時間(4TB時)録り貯めることが可能。またリモコン搭載のレグザボイスボタンを使えば、番組名を話しかけるだけで過去番組の再生が行なえます。
搭載チューナー数や録画機能
搭載チューナーは、地上デジタル×9(タイムシフトマシン含む)、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。Z670Lが地上デジタル×3、BS/110度CSデジタル×3、BS/CS 4K放送×2。どちらのシリーズも、別売のUSB HDDに地デジ/BS/CSの2番組同時、4K放送の裏番組録画ができます。
ほかにも「過去番組表」やテレビ起動時やチャンネル選局時に気になる番組を見つけてもボタン1つでオープニングから視聴できる「はじめにジャンプ」、ジャンル別リストから見たい番組をすぐに再生できる「ざんまいスマートアクセス」、見たいシーンにアクセスできる「シーンリスト」、2K/4K放送番組を自動録画してくれる「おまかせ録画」にも対応。
OSはLinuxベースのオリジナル
ネット接続やネット動画、ネットワーク機能などを司るOSについては、Linuxベースのオリジナル。従来の「Z740XS」シリーズで採用したAndroid OSではありません。これはAndroid OSの動作が不安定だとか、操作後の反応が遅いなどの弱点を考慮したうえで、より快適な操作感を重視した結果のようです。もちろん、主要VODサービスに幅広く対応しています。
リモコン
従来のダイレクトボタン「ABEMA」、「Netflix」、「Hulu」、「U-NEXT」、「YouTube」、「Amazon Prime Video」のほか、新たに「Disney+」、「TVer」(ソフトウェアダウンロードで対応)、「dTV」、「Net.TV」の4ボタンが追加。業界最多となる、10個ものダイレクトボタンを搭載。
お気に入りのネット動画やHDMI接続した外部機器を登録でき、ボタンひとつですぐに起動できる「My. Choice」ボタンを2個搭載。
HDMI周りは4K/120p、VRR、ALLM、eARC対応など充実
HDMI端子は4K/120p入力対応、映像のちらつきやカクツキを軽減するVRR、自動的に低遅延モードに設定するALLM、高音質音声データのHDMI伝送に対応するeARCに一挙に対応。
ゲーム機の出力映像に合わせ自動的に最適なモードに設定する「オートゲームアジャスト」や「ゲーム専用高画質」機能も装備。
1080p/120Hz入力時の映像遅延時間は0.83msで、業界トップクラスの性能。レグザ4K液晶テレビ史上でも、最も遅延の少ないゲームモードとなっています。
1080p/60Hz(12bit)、1440/60Hz、4K/60Hz(12bit)入力時は約9.2ms。
入出力端子
入出力端子はHDMI入力が4系統。うち2系統が、HDMI2.1をサポート。eARC(入力2のみ)にも対応。ビデオ入力(映像・音声LR)、光デジタル音声出力、ヘッドホン出力（ライン出力非対応）、LANを各1系統用意。USB端子は4系統。
Z770LシリーズとZ875L/Z870Lシリーズを比較して選ぶポイント
以上のように、「Z770L」シリーズは「Z875L/Z870L」シリーズと比較すると、ミニLEDが非採用の点と、「Z875L」シリーズよりは映像エンジンがグレードダウンしていることがおもな違い（劣っている点）です。
一方、それ以外の機能面はほとんど同じ。なかでもREGZAのテレビ上位シリーズの売りとも言える「タイムシフトマシン」の搭載はポイントでしょう。
HDMI2.1対応化による4K/120p入力対応、VRR、eARC対応を「Z770L」シリーズも備えているため、PS5などの最新ゲーム機への対応も万全。REGZA得意のゲームモードもしっかり最新内容で備えています。
また、今年2022年のREGZAテレビのOSは、2021年モデルの一部で採用されたAndroid TVを全て廃止し、2020年モデル以前のようなLinuxベースのオリジナルに戻っています。
つまり、こと機能面では「Z770L」シリーズは「Z875L/Z870L」シリーズと同様なので、機能重視で選ぶなら「Z770L」シリーズでもいいかもしれません。
「Z770L」シリーズは「Z875L/Z870L」シリーズにはないスイーベルスタンドを採用（75型は除く）しているのは、画面の向きを頻繁に変えたいユーザーにとっては便利でしょう。
結局は、「Z875L/Z870L」シリーズが備えるミニLED×量子ドットという、現在のREGZA 4K液晶テレビ最高の画質を予算に構わず入手したいのか、そこまでの予算はかけたくないけれど、できるだけ画質にこだわったREGZAの4K液晶テレビをコスパよく手に入れたいかによって、「Z770L」シリーズか「Z875L/Z870L」シリーズを選ぶことになりそうです。
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