Massdrop x SENNHEISER HD 6XX 開放型ヘッドホン
Massdrop x SENNHEISER HD 6XXはゼンハイザー(SENNHEISER)のオーバーイヤー開放型ヘッドホン・HD 650のMassdrop(現・DROP)専売の限定モデル。
HD 6XXとHD 650を比較しての違いは?
両機を比較しての違いをご紹介します。基本的にはHD 6XXはHD 650とほとんど違いはないのに価格が安いお買い得品ということです。
HD 6XXはHD 650よりも大幅に安い
HD 6XXは2016年にMassdrop専売で199ドルという価格で5000台限定で米国で発売(発送は海外にも対応)。
SENNHEISER・HD 650と内容的には同一ながら、米国でのHD 650の定価500ドル、および、日本での税別定価75,000円(現在の税込み実売価格は48,000円程度)よりも大幅に安いことから、ヘッドホン愛好家から注目された製品です。
大幅に安いのに内容はほとんど同じ?
これだけ大幅にベースモデルより安くなりながら、ヘッドホンとしては同一と言っていい内容ということで、非常にコストパフォーマンスの高いモデルとなっています。
といっても、ベースモデルと全く同一ではなく、違いはあります、ただ、音に影響のあるような違いではないということです。
本体カラーリングの違い
具体的な違いとしては、塗装の簡略化とそれに伴う本体カラーリング。オリジナルHD 650は落ち着きのあるブラックカラーの一方、HD 6XXはミッドナイトブルー。語感的にはかっこいい雰囲気ですが、どうやら塗装を省くことでコストダウンを図るためということで、HD 6XXは元のプラスチック部品そのままのカラーということのようです。そのため、外観の質感もHD 650より安っぽくなっていると言われています。ゼンハイザーのメーカーロゴもHD 650ではヘッドバンド部分に大きくありますがHD 6XXにはありません。
まあ、もともとのHD 650自体も音質優先のヘッドホンらしくそれほど高級感のあるタイプではないので、違和感は少ないでしょう。
(以下がHD 6XX)
付属ケーブルとプラグ構成が違う
そのほかの違いとして、付属ケーブルとプラグ構成があります。HD 650は3m長のケーブルが付属し、6.3mm標準プラグとなっていますが、HD 6XXは1.8m長ケーブルの3.5mmプラグで、6.3mm変換アダプター付きとなっており、むしろデフォルト状態での一般的な使いやすさは高まっています。
両機ともHD 600やHD 660Sなどとも共通の自社規格でのケーブル着脱に対応しています。また、ゼンハイザーのこのタイプの端子に対応したケーブルは純正はじめ他社からもいろいろと出ており、バランス接続対応はじめ、リケーブルは簡単に可能です。
イヤーパッドなど補修パーツも同一品が使用可能
ベロア調のイヤーパッドもHD 650と全く同一で、装着感も一緒ということになります。
以下のHD 650用純正補修パーツもHD 6XXにそのまま使えます。
《HD650交換用補修パーツ》
・イヤーパッド(1pair)/050635
・ケーブル/092885
・別売バランスケーブル CH 650 S
仕様も同一
HD 6XXのものとして公開されている仕様は
周波数特性:10Hz – 41kHz、インピーダンス:300Ω、音圧レベル:103dB、重量 : 約260g(ケーブル除く)
とHD 650と全く同一です。
製造もHD 650と同じアイルランド製です。
音質についても同一と言っていいようです
音についても同一と言っていいようです。その評論に定評があり、オーディオ専門誌にも登場する有名レビュアーの方も「どっちがどっちだかわからないくらい」としています。
非常にマニアックな視点では、本体の塗装が変わるだけでも音質は変わりますし、付属ケーブルの線材が同じでも長さが違えばまた音は違いますし、プラグでも変わります。そういうことを言い出すときりがないレベルの話で、この場合は両モデルは同一の音質を有しているということでいいでしょう。
また、ゼンハイザーのヘッドホンはロングセラーばかりな上、製造時期によってほんのわずかな違いが見られるとも言われており、厳密にはHD 650も製造時期によってごく僅かな違いがあるかもしれない製品です。
要はHD 6XXとHD 650の音質については無視していいレベルの違いくらいしかないであろう、ということです。
ゼンハイザーの今後を考えると…
HD 6XXは2021年現在でも税込み約4万円で新品購入可能。一方のHD 650は約4.8万円。上記の違いが気にならず、少しでも安くHD 650の音質が欲しいのであれば、HD 6XXも選択肢になり得るでしょう。
ただ、HD 650を国内正規品購入するとメーカー2年保証がありますが、HD 6XXは販売元の短期的な補償となるようです。ゼンハイザーのヘッドホンは合理的な構造で壊れにくいことにも定評がありますからあまり心配はないとは思いますが。
ゼンハイザーについてはHD 650といった定番ヘッドホンを含むコンシューマー事業のスイスのSonova(ソノヴァ)への売却が決定しており、HD 650の今後も心配ではあります。
HD 650が欲しいならHD 6XXも含めて早めに決断したほうがいいかもしれません。
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