ハイコスパで話題のネットワークオーディオプレーヤー「WiiM Pro」と上級機「WiiM Pro Plus」
格安でありながら多機能なネットワークオーディオプレーヤーとして話題の「WiiM Pro」(2023年4月発売・実売価格2万円程度)。「WiiM Pro」は2023年発売の新顔ながら、そのコスパと機能性によりいっきにネットワークオーディオプレーヤーのメインストリームに躍り出た感があります。しかも140x140x42 mmとコンパクト。
その「WiiM Pro」に上位モデルの「WiiM Pro Plus」が2023年11月17日に発売。実売価格は3.5万円程度です。
「WiiM Pro Plus」は「WiiM Pro」と比較して何が違う
「WiiM Pro Plus」は「WiiM Pro」と比較して何が違うのかを解説します。
「WiiM Pro Plus」はDACチップに高性能なAKM「4493SEQ」を採用
「WiiM Pro Plus」ではDACチップにAKM「4493SEQ」を採用。「WiiM Pro」のBurr-Brown 「PCM5121」よりもグレードが高い高性能・高音質チップなので、物理特性の向上に加え、音の情報量やレンジ感、質感など、音質全般の向上がアナログ出力において実感できるものと思われます。
「WiiM Pro Plus」ではクロック、電源、回路設計を変更
「WiiM Pro Plus」では新たに、超低ノイズクロックの採用と、電源回路を含むPCB基板のレイアウトに大規模な見直しを実施。よりハイグレードなPCB基板を設計することで、アナログ出力において、高いスペックを引き出すことに成功したとしています。
DACチップの変更、クロック、電源、回路設計の変更により、以下のようなアナログ音声出力時のスペックの違いがあります。
「WiiM Pro」のアナログ出力のスペック
SNR 102 dB
THD+N アナログライン出力。0.005%
「WiiM Pro Plus」のアナログ出力のスペック
SNR 120 dB
THD+N アナログライン出力:0.00032%
「WiiM Pro Plus」ではADCチップに高性能なBurr-Brown「PCM1861」を採用
「WiiM Pro Plus」では新たに、ADコンバーターチップにBurr-Brown「PCM1861」を採用。チップ名が非公表の「WiiM Pro」よりも物理スペック・音質の高いチップの採用により、アナログ入力音源の再生音質の向上がアナログ出力、デジタル出力ともに期待できます。
「WiiM Pro Plus」では新たに、ボイスコントロールに対応したリモコンが付属
「WiiM Pro Plus」では新たに、ボイスコントロールに対応したリモコンが付属。Amazonのアレクサによる音声コントロールが可能で、再生/一時停止、音量調整などが可能。
「WiiM Pro Plus」が70g重い
両機とも140x140x42 mmというコンパクトサイズは同じ。重さが「WiiM Pro」の330gに対して、「WiiM Pro Plus」は400gと重くなっています。上記のアナログ音声出力の向上を狙った各種の施策の結果と考えられます。
そのほかの機能・特徴は両機で共通
そのほかの機能・特徴は両機で共通です。
AirPlay 2、Chromecast Audio、DLNA、Spotify Connect、TIDAL Connect(日本未サービス)、Amazon Music Castに対応
ストリーミングサービスはSpotify、Amazon Music、Deezer、Tunein、Tidal(日本未サービス)、Qobuzなどに対応
RoonReadyにも対応予定
セットアップやコントロールはスマホ・タブレット用専用アプリ「WiiM Home」を使用
複数のWiiMデバイスでマルチルームサウンドシステムを簡単に構築可能
10バンドグラフィックイコライザーを搭載
Wi-Fi/有線LANに加え、入力端子はアナログRCA、光デジタルを搭載(最大24bit/192kHz)
出力端子はアナログRCA、光デジタル、同軸デジタル(最大24bit/192kHz)
Bluetooth入出力
Alexa、Google、およびSiriによる音声コントロール
USB Type-C電源
どちらを選ぶかのポイントは?
DACチップの変更、クロック、電源、回路設計の変更により、「WiiM Pro Plus」は「WiiM Pro」よりもアナログ音声出力の品位・音質が高まっていると考えられます。
逆に言うと、そのほかの本体の機能性は同一であり、また、デジタル出力の品位・音質は変わらないものと思われます。
「WiiM Pro Plus」は「WiiM Pro」のアナログ出力の音質では不足・不満がある、ありそうなユーザーに対して、アナログ出力音質の底上げを図ったモデルと言えるでしょう。
どちらを選ぶかは、「WiiM」シリーズに求めるアナログ出力の音質のレベルと予算によるでしょう。
なお、両機のデジタル出力の品位・音質は変わらないはずとはなっていますが、一部のユーザーのレビューでは「WiiM Pro Plus」のデジタル出力のほうが音質が良かったという主観的な感想が見られます。これはクロック、電源、回路設計の変更により、デジタル出力のジッター特性(音質に違いを与えると言われています)が変わった(改善した?)ためかもしれません。
ピュアオーディオ愛好家の世界では、デジタル出力のデータそのものに変化がなくとも、内部設計の違いにより、デジタル出力の音質も変わるという見方が一般的であることは付記しておきます。
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