YAMAHA SR-B30A Dolby Atmos対応ワンボディサウンドバー 約3.3万円
ヤマハは、サウンドバーの新モデルとして、Dolby Atmosに対応した2機種を発売。税込みの実売価格と発売時期は、サウンドバーワンボディの「SR-B30A」が33,000円前後で2023年9月上旬、別筐体のサブウーファー付属の「SR-B40A」が50,600円前後で2023年8月上旬。
ここでは下位モデル「SR-B30A」 の内容・特徴を、従来機「SR-B20A」(生産完了品)と比較しての違いを交えながらご紹介。
上位モデル「SR-B40A」の内容やレビュー情報はこちらで紹介しています。
従来機「SR-B20A」と比較しての違い Dolby Atmos新対応が最大のポイント
Dolby Atmosに対応したフロント完結型のサウンドバーシステムであることが大きな特徴。
「SR-B30A」 は従来機「SR-B20A」の後継機。「SR-B20A」はDolby Atmosに対応していなかったので、この点が大きな進化点となります。そのほか、Dolby TrueHD、Dolby Digital Plusに新たに対応、リニアPCMマルチchのデコードも5.1chから7.1ch対応にアップグレードしています。一方、バーチャル3Dサラウンド技術「DTS Virtual:X」非対応になり、DTS関係のデコードも省かれました。
「SR-B20A」の詳しい内容はこちらの記事でご紹介しています。
フロント完結型のサウンドバーにマルチユニットと強力なアンプを内蔵
フロント完結型のサウンドバーシステムで、バースピーカー部分のサイズは910×133×68mm(幅×奥行き×高さ)。
左右チャンネル用に4.6cmのフルレンジを各2基、2.5cmツイーターを各1基。さらに7.5cmサブウーファーも各1基搭載。合計8基のユニットを内蔵する。さらに、バスレフポートとして筐体左右にポートを設けている。内蔵アンプの最大出力はフロント用が30W×2、内蔵サブウーファーが60W。合計120W。外部サブウーファー出力端子も備えています。
そのほかの機能・内容
イネーブルドスピーカーなしでDolby Atmosを再生
リアルなリアスピーカーや天井反射を使うイネーブルドスピーカーは搭載していませんが、フロントのサウンドバーだけで、Atmosのバーチャルサラウンド再生が楽しめるように設計。
サウンドバー部分の筐体デザインは筐体が斜め上を向いた形状として、前面に広がるようなデザインにすることで、サウンドバーからの音がユーザーの耳へとスムーズに届くように設計。また、背面部分をスリムにすることで、テレビの脚元に置きやすくし、壁掛けの場合では底面の汚れなどを目立ちにくくしています。
デコーダー機能対応フォーマットとインターフェース
入出力端子には、HDMI出力端子(eARC対応)、光デジタル音声入力、アップデート専用のUSB入力を1基ずつ搭載。eARC対応のHDMIケーブル(1.5m)が同梱。
デコーダー機能は、Dolby Atmosの他にDolby TrueHD、Dolby Digital Plus、MPEG-2 AAC、PCM(最大7.1ch)に対応。DTSフォーマットのデコードには非対応となっています。バーチャルサラウンド機能はAtmosの入力時のみに作動します。
独自のサウンドモードなど
ムービー/ステレオ/スタンダード/ゲームの4種類から選べるサウンドモードも搭載。
従来「SR-B20A」から搭載されている、声をクリアにリスナーに届ける「Clear Voice」、ベースブースター機能の「Bass Extension」といった2つの機能をブラッシュアップ。両機能とも「Dolby Audio Processor」による音声処理を採用。
Clear Voiceは、小音量で声が聴き取りにくい場合でも声がクリアできるように調整でき、中域の音を持ち上げることで、前面に声が届くとしている。Bass Extensionは、同社のサウンドフィロソフィーである「TRUE SOUND」を軸とした音のバランスを崩すことなく、低域の調整を可能としています。
専用スマホアプリとイコライザー機能
新たにイコライザー機能「Tone Control」も搭載。専用のコントロールアプリ「Sound Bar Remote」から、コンテンツ再生時の高音と低音に対してイコライザー操作ができ、高音と低音ともに±6の範囲で調整が可能となっています。専用スマホアプリ「Sound Bar Remote」からは、モード切り替えや音量調整などの各操作も行えます。
Bluetooth接続に対応
ワイヤレス機能では、Bluetooth接続に対応。バージョンはBluetooth Ver 5.1、音声コーデックはSBCとAACに対応。Wi-Fiやネットワークオーディオプレーヤー機能、Alexa Voice Serviceなどの機能は「SR-B20A」同様に非搭載。
YAMAHA SR-B40A レビュー・口コミサイト
YAMAHA SR-B30A 各種レビューから読み取れる傾向
薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーには好評
SR-B30Aの購入者のレビューを読むと、薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーと、サラウンド感を求めているユーザーとでは、やや評価の温度感が異なる印象です。
薄型テレビの音を単純に増強したいというユーザーは、全体的なサウンドの底上げにより大いに満足しているようです。薄型テレビのサウンドとの違いには驚くようです。サブウーファーを別筐体にした上位機「SR-B40A」ほどの低音の伸びや量感はないものの、部屋の広さや集合住宅などの設置条件によっては、「SR-B40A」だと低音が出すぎで、迷惑になりかねないという評論家の指摘もあります。本機の低音でも十分というユーザー・環境は少なくないようです。
声をクリアにリスナーに届ける「Clear Voice」、ベースブースター機能の「Bass Extension」の2機能は従来から性能アップしていると謳っていますが、確かにそのようで、迫力がありながら声やセリフが明瞭で聴き取りやすいという評価が多く、テレビ用のサウンドバーとして実用性が高いことをうかがわせます。
サラウンド感はほどほど?Dolby Atmosがメインなのもポイント
一方、本機のアピールポイントであるDolby Atmos対応のサラウンド機能については、フロントスピーカーのみの構成で、イネーブルドスピーカーもないという簡素な構成ゆえか、ほどほどの音の立体感で、高度な回り込み感や上から音が降ってくる感覚まではないという感想が見られます。
もっとも、これは本機に限らず、フロントスピーカーのみの構成で、イネーブルドスピーカーもない他社のモデルや上位機の「SR-B40」でも同様に言われています。Dolby Atmosの三次元的なサラウンド感をアップして楽しむなら、リアルなリアスピーカー対応タイプやフロントタイプでもイネーブルドスピーカー内蔵タイプを選ぶべきということでしょう。
Dolby Atmos以外ではバーチャルサラウンド機能は働かないということなので、サラウンドソースとしてDolby Atmosがメインというユーザーに適していることもポイントでしょう。
アプリなども含めた使い勝手、入出力に関しても価格などを考慮すると評価は悪くありません。アプリで結構細かく調整できる一方、デフォルト設定でもバランスのよい音質が得られるという声も多く、難しいことを考えずに使いたいサウンドバー初心者やライトユーザーを意識したヤマハの設計のうまさが光るようです。
Blueotooth入力時にHDMI入力よりも音量が小さいという感想が見られました。Bluetooth入力を多用したい方はチェックしたほうがいいかもしれません。
ステレオ音声にしてもサラウンド音声にしても、ヤマハならではの自然で聴きやすい音質という評価でまとまっていることは幅広いユーザーにおすすめできる特筆点のように思われます。
3万円程度の予算で、一本バータイプのサウンドバーでテレビの音を増強し、動画(サラウンド)も音楽(ステレオ)も堅実な品位で楽しみたいという向きに適したモデルなのではないでしょうか?
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