Cayin RU7 44,990円のドングル型DAC/ヘッドホンアンプ
コペックジャパンは、中国・Cayin(カイン)ブランドより、USBバスパワー型の小型ポータブルUSB DAC/ヘッドホンアンプ「RU7」を、2023年6月9日に発売しました。価格は44,990円。
いわゆるドングル型DAC/ヘッドホンアンプのタイプに属する機器。外形寸法は66×24×12mm、重さは約25gとUSBメモリサイズの手のひらサイズボディ。筐体はCNCアルミニウム製。入力はUSB Type-Cで、ケーブルは着脱式。
ディスクリート部品からなる1bit DAC回路を搭載
ディスクリート部品からなる超小型1bit抵抗ラダー型DAC回路を搭載しているのが最大の特徴。128個(4ch*32)の高精度薄膜抵抗からなる1ビットDAC回路を搭載。CayinのDAP・N7で採用されているものと抵抗数は異なるものの同様のDAC回路とのこと。
最大384kHzまでのPCMと、DSD 256のネイティブ再生が可能。すべてのデジタルオーディオ信号は、DSD 64/128/256に変換され、ディスクリート1bit DAC回路に送られてDA変換されます。DSD変換はDSD64/128/256のサンプリングレート切替が可能(Apple社製デバイスは出力電流に制限があるため、DSD256を選択した場合に出力できない場合があります)。
デジタル回路とアナログ回路を別々の基板に搭載し、音質に悪影響を及ぼす干渉を防いでいます。
ヘッドホンアンプ部はデュアルアンプを並列配置し、4chのハイパワーバランス駆動を実現。出力端子は3.5mmシングルエンド(ライン出力兼用)と4.4mmバランスで、出力はシングルエンド接続時が160mW@32Ω、バランス接続時が400mW@32Ω。固定ライン出力も可能。
有機ELディスプレイや本体ボリューム
本体には0.96型/128×64ドットの有機ELディスプレイを搭載。本体には物理ボタンも搭載し、ハードウェアのボリュームボタンも備えており、DAC本体で容易にボリューム調整ができます。スイッチングリレー切替式の「ディスクリートボリュームコントロール」を採用。100段階の音量調節が可能で、小音量時に細かなボリューム調整が必要になることが多い、高感度なIEMタイプのイヤホンにも対応。
接続の汎用性と低消費電力も特徴
Android、iOS、macOS、Windows、USBオーディオ出力を持つデジタルオーディオプレーヤーなど幅広い機器とUSB接続の互換性を有するのも特徴。
ハイパワーなヘッドホン出力を持ちながら低消費電力であると謳っており、消費電力が大きいために使えないこともあるドングル型DACの弱点を払拭。使用不可の機器や使い方(ハイインピーダンスヘッドホンを大音量再生すると動作が止まるなど)の範囲を狭め、汎用性を高めています。
USB Type-C to Type-Cケーブル(シールド付き)や、USB Type-A to Type-C変換アダプタ、レザーケースなどが付属。
Cayin RU7 レビューサイト
Cayin RU7 レビュー ツイッター
Cayin RU7 のレビュー(中文)。RU6 や N7 との関係や詳細な比較、USB ケーブルも付属品のほか、個人的にも常用している ddHiFi TC09S での変化の解説とおすすめもしていて、👍笑
日本語圏ではここまで精緻なレビューは滅多にお目にかかれないので、すごく参考になる♪ https://t.co/eBBZvO0QXD pic.twitter.com/reGvG3e38f
— Azalush “森あざらし” (@align_centre) June 2, 2023
Cayin RU7試聴してきた。クナのパルDSDと4Rバランスで。これすごいね。ドングル舐めてた。というわけで不二家のオンラインでポチっとな。バッテリ積んでないから気軽に買える。
— Prost (@Gorbern) June 9, 2023
MNG…
Cayin RU7到着!!
RS6のジャックが謎の故障を遂げたので急遽購入…
しばらくこれの音を聴いていきますᖳᖰ
UA3は役目を終えたようだ…って数分聴いただけで思った…
RS6と聴き比べできないのが残念。。 pic.twitter.com/c0JrW023Sd— おかめかめ (@kamesan1218) June 8, 2023
Cayin RU7
着弾💣
Xperia1Ⅳだと曲頭が若干飛ぶけど、
それ以外は不満なし、
ある程度試したら、ケースの裏側にオヤイデさんのNRF-005T貼ろうかな🤔 pic.twitter.com/z4cQa49XTm— zeo様@エビ中ファミリー🐺 (@masapirochan86) June 10, 2023
Cayin RU7
・中高域の描写表現がしっかりしている明るめなサウンド
・アタック感、スピード感がありレスポンス良し。ルーズな鳴り方はしない。
・ハイゲインだと、短時間の試聴でも本体の発熱が目立つ普通に欲しいんですけど… pic.twitter.com/lupretTIiO
— メタルハウジング大好きマン (@pyonps) June 10, 2023
MNG
Cayin RU7結局お持ち帰りしてしまった😅
ドングルDACの中でW4EXやGo barなどいくつか欲しい候補があったけど、コイツがサイズ感・操作感・サウンドそれぞれバランスよく自分にブッ刺さった😉 pic.twitter.com/IcS4Ethp3d
— メタルハウジング大好きマン (@pyonps) June 10, 2023
Cayin RU7 各種レビューから読み取れる評価・傾向
各種レビューから読み取れる、小型DACヘッドホンアンプ・Cayin RU7の音質評価のまとめ
RU7は基本的に非常にクリアで自然な音質を提供すると評価されています。ディテールと解像度が優れており、楽器やボーカルの微妙なニュアンスを捉えることができるようです。リアルでパワフルなサウンドも備えているようです。空気感を感じ取れる音場表現と優れた定位感もポイントのようです。
また、イヤホン・ヘッドホン使用時にはバランス出力の利用によって音の広がりとダイナミクスが向上するとも評されています。
これらの音質傾向は、本機がDSD系のDAC回路にこだわった結果であることも考慮したいところです。(DSD系のDACの一般的傾向として、繊細で情報量の多い自然なサウンドを基本に、空気感や音場表現に長けているとされています。一方、PCM系のDACのような低域の力感や音像の実体感は苦手と言われています)
Cayin RU7の機能・性能面での評価のまとめ
機能・性能面では、メーカーが謳うとおりの幅広い機器との接続互換性や、幅広いイヤホン・ヘッドホンをインピーダンスや能率を気にすることなく使える汎用性が評価されるポイントです。本体ボリュームや表示部の利便性も好意的に受け止められています。
スイッチングリレー切替式の「ディスクリートボリュームコントロール」は再生中にボリュームを調整すると音切れが発生してしまうので、ボリュームに関する雑音が気になる向きにはマイナスかもしれません。これは音質第一で採用した機構ですから仕方ないところでしょう。
品位感が高く、高級感も感じ取れる本体も高評価です。緑色の付属専用レザーケースもモノとしての質感のよさから好評です。
Cayin RU7がおすすめのユーザーや使い方は?
レビューから読み取れる情報を考慮して、小型DACヘッドホンアンプ・Cayin RU7のおすすめのユーザーや使い方を考察します。
汎用性が高く省電力な機器を求めるモバイルオーディオ愛好者:
Cayin RU7はコンパクトで携帯性に優れたデザインを持っており、高音質なポータブルヘッドホンアンプとして高評価です。幅広いモバイルデバイス(スマートフォン、ポータブルプレーヤーなど)との接続が容易であり、接続デバイスのバッテリー消費も抑えられていることから、音楽を外出先で高品質で存分に楽しみたいと考えているユーザーにおすすめです。
ヘッドホン・イヤホン愛好家:
Cayin RU7は精密かつハイパワー設計のヘッドホンアンプ部により、さまざまなヘッドホンやイヤホンとの組み合わせが可能です。ヘッドホン・イヤホンの音質を引き出すために、高品質な小型DACアンプを求めているユーザーにおすすめです。
操作の簡単さを重視するユーザー:
Cayin RU7は使いやすいインターフェースを備えており、直感的な操作が可能です。設定や接続の切り替えが容易であり、ユーザーフレンドリーな機能性が特徴です。操作の簡単さを重視するユーザーにとって便利な製品と言えます。
より踏み込んだおすすめユーザーの考察
以上の考察から、Cayin RU7はモバイルオーディオ愛好者やヘッドホン愛好家、操作の簡単さを重視するユーザーにおすすめの小型DACヘッドホンアンプです。
ただ、以上の感じだと、高音質で高性能なドングル型DACヘッドホンアンプに広く当てはまる面もあります。本機の価格や内容からもう少し踏み込んで考察してみます。
4万円台の予算をドングル型DACに投じても良い方:
今日、本機のようなドングル型DACヘッドホンアンプは中国メーカー製を中心に数多くリリースされています。その価格レンジは広く、数千円から8万円程度まであります。本機の4.5万円という定価は、ドングル型DACとしては高級な部類です。その理由は多機能性ということはあまりなく、音質が中心です。つまり、4万円台の予算をドングル型DACに投じてでも高音質を手に入れたい方に適していると言えるでしょう。
バランス接続を常用する方:
ドングル型DACヘッドホンアンプでヘッドホンのバランス接続に対応するモデルも少なくありませんが、本機の場合はとくにバランス接続に注力しています(デュアルアンプを並列配置し、4chのハイパワーバランス駆動)。つまりは本機の本領はバランス接続時に発揮されると見えるので、せっかくの能力を生かすためにもイヤホン・ヘッドホンはバランス接続メインという方により適しているでしょう。
DSD音源やDSD変換再生が好みの方:
本機の技術的・音質的特徴は全ての音源をDSD変換して再生することです。PCM音源もDSD変換したほうが音質的に有利と考えてのことであり、ソニーのウォークマンや据え置きプレーヤーなど大手の他社でも見られる手法です。一方、DSD再生に否定的な大手メーカー(CHORDなど)もあり、DSD変換再生というのは好みの問題もはらみます。DSD系再生のサウンドには上記のように特徴・傾向があるので、それを理解し、わかったうえで選ばれるのがよいのではないでしょうか。
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