KOSSのカナル型イヤホン新モデル「KEB25i」
ティアックは、同社が取り扱う米国・KOSS(コス)社製のカナル型イヤホン「KEB25i」を5月23日から発売します。オープン価格ですが、税抜2,800円前後での実売を想定。ブラック/ホワイトの2色展開。
カナル型イヤホンの草分け的存在である「The Plug」の後継機的なモデル
カナル型イヤホンの草分け的存在である「The Plug」の後継機的なモデルとなるようで、「The Plug」に採用されている、独自開発のダイナミックチューブポート構造を踏襲しているのが特徴としています。
ハウジングは耐久性の高いアルミニウム製で、質量はケーブル含め12gと軽量設計。
低反発フォーム製の柔らかいイヤーチップを付属し、耳孔にぴったりとフィットさせることで高い遮音性を実現し、深みのある低音と明瞭な高音を再生するとしています。
ケーブルは長さ1.2mで、ハンズフリー通話が可能なマイク付きリモコンを搭載。3.5mm4極ステレオミニプラグを装備。周波数特性は10Hz – 22kHz、感度(SPL)は111dB、インピーダンスは16Ω。
「KOSS The Plug」はシュア(Shure)のSE215やその前身モデルE2c、エティモティックリサーチ(ETYMOTIC RESEARCH)のER-4系などと並んで、カナル型イヤホンの先駆的かつ代表的なモデルとして知られています。
1万円以上する他の二つとは異なり、非常に手頃な価格(実売1,800円程度)で買える点で、初心者向けという意味での重要な役割も担っていました。
また、今回の「KEB25i」でも継承されている、耳の形状にジャストフィットする低反発フォーム素材のイヤーチップを採用していることと、チューブポートを備えたドライバーユニットとの相乗効果によって、高い遮音性とパワフルな低音再生を備えているのが特徴。特に、低音の強さ、迫力には定評があり、まさにパンチのある低音と言われてきました。
「KEB25i」と「The Plug」を比較しての違い
「The Plug」は変化の早いイヤホン業界にあって、2002年発売というロングセラー。シュアやエティモティックリサーチもモデルチェンジを繰り返していることと比べても目立っていましたが、ついにモデルチェンジ(ただしプラグ部分がストレートからL字になる、イヤーチップが異なるなど、これまでに何回かのマイナーチェンジはあり)。
現代化に当たっては、従来から支持を集めている特徴的な面は最大限残しつつ、うまく現代化した印象です。
「KEB25i」と「The Plug」を比較しての違いとしては、筐体の素材が「The Plug」のプラスチックから「KEB25i」ではアルミニウムに変わったことが大きいでしょう。見た目の品位感が大きく向上するだけでなく、効果的に振動を抑制できるので、音が全体的にクリアになり、情報量も増えるといった音質面での効果が期待されます。
ただ、これによって、「The Plug」の大きなアイデンティティーになっていた、細かいことは気にしないようなノリのよいおおらかな低音、という性格に影響が出ることも考えられます。
デザインもアルミの使用も影響しているのか、スタイリッシュで洗練されたイメージに変わっています。シンプルだけど武骨な印象もあった「The Plug」よりも万人受けする改善だと思います。ただ、個性的な外観という意味では薄れた感じもあります。
スペック的には「The Plug」の周波数特性は10Hz – 20kHz、インピーダンス16Ωから大差はありませんが、高域側が少し伸長しているので、使用ユニットにも変更があるようです。
「The Plug」の人気に影響していたと思われる本体の軽さは12gと同一。「The Plug」から替えても違和感のないようにしているのかもしれません。
また、最近のスマホの普及の影響もあり、「The Plug」にはなかったスマホ対応のマイク付きリモコンも付属しました。スマホユーザーにはありがたい装備でしょう。なにしろ、これまでの「The Plug」では、マイク付きリモコンの使用は後付けで行うにしても困難だったからです。この点でのユーザービリティ―の向上は大きいでしょう。
もっとも、今やイヤホンを有線でスマホに繋ぐ文化すら衰退していて、今後はイヤホンジャックのないスマホ用に「The Plug」後継機のワイヤレス版、も必要になりそうですが。
発売後の購入ユーザーのネット上での感想を見ると、心配された?低音の減退などはあまりないようで、期待通りの低音強調サウンドのようです。高域もロールオフ気味のピラミッド型サウンドのようで、「The Plug」らしさはしっかりと残っているようです(イヤホン+KOSS)。
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