FiiO UTWS5 完全ワイヤレスイヤホン化アダプター
FiiO(フィーオ)から、完全ワイヤレスイヤホン化Bluetoothアダプターの新モデル「UTWS5」を2021年12月23日に国内発売。価格は税込み17,600円。
従来機「UTWS3」(1万円ほど)の上位モデル。
aptX Adaptiveコーデックに対応しているのが大きな特徴
クアルコムの最新Bluetoothチップ・QCC5141の採用により、aptX Adaptiveコーデックに対応しているのが大きな特徴。これにより、最大24bit/48kHzでのハイレゾ受信が可能(送信側もaptX Adaptiveコーデックに対応している必要があります)。aptX Adaptiveコーデック対応の完全ワイヤレスイヤホン化アダプターは本機が初ではないでしょうか。
対応コーデックはそのほかAAC、SBC、aptX。また、ファームウェア「FW1.4」の適用によって、LHDCコーデック対応も追加されています。LHDCでは最大96kHz/24bitの音声伝送に対応。
aptX Adaptiveでは約27%、aptXでは約41%の遅延(レイテンシー)改善が可能という低遅延モードもファームウェア「FW1.4」から追加されています。
TrueWireless Mirroringにも対応。
また、AKM製のDAC・AK4332を独立構成で搭載するなど、音質面にも注力しています。「UTWS3」と比較して低ノイズフロア(2μV未満)、高SN(109dB以上)、約40%の出力向上を実現。出力は16Ω負荷時53mW、32Ω負荷時33mW。
なお、製品はMMCXコネクタ/0.78mm 2pinコネクタの2ラインナップとなっており、今回はまずMMCX版が発売。0.78mm 2pinコネクタ版は今後発売ですが、現時点では明確な期日は未定です。
1回充電で約8時間の再生が可能。3~4回分の充電可能なワイヤレス充電対応のバッテリーケースが付属。製品本体の重量は片側8g。充電ケースとの総重量は122g(イヤフォン除く)。本体はIPX4の防水性能。
使い勝手の面では本機の操作部(物理ボタン式)から、スマホなどのBluetoothデバイスの音量調節とは別に、ボリュームコントロールも可能。段階は32ステップ。スマートフォンアプリ・FiiO Control/FiiO Musicに対応。チャンネルバランスやその他(デジタルフィルターなど)のオーディオ設定が調整可能。残念ながらイコライザー機能はアプリにはありません。アプリを使用してファームウェアアップデートも行なえます。
ファームウェア「FW1.4」の適用によって、ヒアスルーモード(いわゆる外音取り込み機能)も利用可能。FiiO Controlアプリからゲイン調整も可能です。
追記:LDACに対応するベータ版ファームウェアを試験的に公開
FiiOは、UTWS5が、LDACに対応するベータ版ファームウェアを試験的に公開。これで、aptX AdaptiveとLDACという2つの主要なハイレゾコーデックに対応する数少ない完全ワイヤレスイヤホン化アダプターとなり、ハイレゾ伝送にこだわるユーザーにはいっそう価値が高まりました。
ただ、今回はあくまで「ベータ版ファームウェアを試験的に公開」ということであり、それゆえに、接続する機器との相性や接続安定性など、予想が難しい症状もあるようです。
FiiO製完全ワイヤレスイヤホン「FW5」、Bluetoothレシーバー「UTWS5」の二製品を対象として、LDACに対応するベータ版ファームウェアを試験的に公開いたしました。
*注意事項がございますので、ページの内容をよくお読みになってからのアップデートをお願いいたします。 pic.twitter.com/CNn2Rm5TDv— FiiO Japan (@FiiO_Japan) July 6, 2023
FiiO UTWS5 レビューサイト情報
FiiO UTWS5 各種レビューから読み取れる傾向
何といっても、初のaptX Adaptiveコーデック対応の完全ワイヤレスイヤホン化アダプターであることがトピックですが、aptX Adaptiveコーデックを利用できない環境でも、従来機・UTWS3を上回るアンプ出力により、パワフルな高音質が楽しめるようです。また、LDACへの追加対応により、高音質機としての汎用性がさらに高まりました。
完全ワイヤレスイヤホン化アダプターとしては相当ハイレベルな品位のようで、かなり高級なMMCX有線イヤホンに接続しても、十分に音楽が楽しめるようです。現在高級有線イヤホンを使っていて、完全ワイヤレスイヤホンの利便性も欲しいけれど、既存の完全ワイヤレスイヤホンからはどうも選べないという人には、面白い選択肢になりそうです。
なお、音質は良好なものの、使い勝手面で気になる点を多くのユーザーが指摘しています。それは、イヤホンを装着した状態で閉めることを想定した付属充電機能付きケース。ケースに入りきらないイヤホンが出てしまうようで、とくに筐体が大きくなる傾向のある高級イヤホンとの使用は要注意でしょう。具体的なモデルで使用できた(ケースに収まった)という情報がツイッターなどにあるので、参考にしたいところです。
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