DYNAUDIO Special Forty (SP40)生産中止から再生産へ!従来との違いや中古価格への影響は?

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DYNAUDIO Special Fortyが再生産へ

デンマークのオーディオメーカー・DYNAUDIO(ディナウディオ)は、ブックシェルフスピーカー「Special Forty」(愛好家間ではsp40とも呼ばれます)の再生産を発表しました。2019年の6月から材料の一部に使用している良質なベニヤが確保困難になったために、いったんは受注停止となっていたモデルが市場に再登場します。価格は従来と同じペア・45万円(税抜き)。

DYNAUDIOブランド創業40周年記念モデルのSpecial Forty

「Special Forty」は、DYNAUDIOブランド創業40周年を記念して、2017年に発表された記念モデルという輝かしい肩書きを背負ったブックシェルフスピーカーです。端子部に「Special Forty」のエンブレムを刻印するなど、アニバーサリーモデルに相応しい仕上げも魅力。

また、このような記念・アニバーサリーモデルの類は、生産数限定や、販売期間限定になるものも多いのですが、「Special Forty」は通常販売モデルであることも特徴です。

いくら販売数が限定でなくとも、スピーカーの音質そのものが良くなければ売れませんし、市場在庫が溢れ、価格も下がりかねません。

しかし、「Special Forty」は記念モデルという付加価値もありますが、音そのものの良さで市場で評価され、好評のうちに販売を終えていました。その販売終了を惜しむ声は大きく、中古市場でも人気の高いモデルとなっていました。

もともと、記念モデルということもあり、材料の問題はあるとはいえ、まさか、再生産するとは意外な展開と思います。それだけ、DYNAUDIOはこのスピーカーを新たなブックシェルフスピーカーのスタンダードとして、スピーカー業界に根付かせたいという思いもあるのかもしれません。DYNAUDIOにとっても会心の作なのでしょう。

再生産版の「Special Forty」と従来版を比較しての違い

なお、再生産される「Special Forty」は2017年から2019年まで生産・販売されていた「Special Forty」と全く同じものではなく、いくらか違いがあります。

もともと、良質なベニヤが確保困難になったために生産を中断していたわけですが、再生産に当たって、その同じベニヤを新たに確保できたのかと言えば、それは違います。

思い切って、材料を替えて、同じ「Special Forty」として再発売する、ということです。変更されるのはキャビネットの突板部分であり、音質にも大きく関わることの多い部分です。普通はここを変えると音も変わりますし、ここを変えただけでも別モデルとして扱う場合もあります。ただ、今回は同じモデルとして扱うという以上、従来モデルと変わりのない音質を達成できたということなのでしょう。

キャビネットの突板部分以外は同等もカラバリは違います

モデルとしては同じということですから、当然、そのほかの部分に違いはなく、物理スペックなども同等です。

ただ、カラーリングは違います。オリジナルはレッドバーチと、グレイバーチの2カラバリでしたが、再生産モデルでは「Black Vine」と「Ebony Wave」の2種類。比べてみると、レッドバーチの華やかな鮮やかさは印象に残りますので、なくなったのは残念。再生産モデルはいずれも落ち着いた印象で、これが普通のスピーカーという感じではあります。見た目を重視する人のなかには、従来のレッドバーチが良かった人もいそうです。

「Special Forty」のスピーカーとしての内容・特徴

2ウェイ2スピーカー・バスレフ型のブックシェルフスピーカー。ツイーターは28mm径。ウーファーは、17cm径。外形寸法は198×307×360mm(幅×奥行き×高さ)。重量は8.1kg。

再生周波数帯域は41Hz~23kHz。クロスオーバー周波数は2kHz。感度は86dB(2.83V/1m)。スピーカー端子はシングル。

ツイーターは当時新たに開発された「Esotar Forty」というもので、空気流を調整し、共振周波数を低下。歪みを極小化したとしています。さらに、独自のDSRによる精密コ―ティングを施し、過渡特性を変動、圧縮させることなく振動板の性能を細密化したとしています。

ツイーターは企業秘密だという特殊コーティングを施し、ネオジウム・マグネットの磁気回路でピュアアルミのボイスコイルを駆動。

ユニット背面やボイスコイル下部に通路や穴を設けることで空気の流れをコントロールすることで、音を良くしようという工夫が本機ならではのものです。

ウーファーの素材はおなじみのMPS(ケイ酸マグネシウム・ポリマー)コーンながら全くの新規設計。

ウーファーはスパイダーの改善、対称性の最適化に加え、ネオジウムとフェライトのハイブリッドマグネットを磁気回路に採用するなどにより、ハイパフォーマンスを発揮。マグネットは合金ではなく、2つのマグネットが2段に重なった構造。強力なネオジウムの磁力をフェライトが柔らかく受け止めて磁界を整えることで制動力がアップする仕組み。

ピュアアルミの大口径ボイスコイルで駆動力も高めています。ツイーター同様に空気の流れ、エアフロ―を意識した設計も特徴です。

両ユニットは1kHzから4kHzという広い音域でオーバーラップ。こうすることでクロスオーバーにかかる負担を減らし、6dB/oct・1次のフィルターで、位相回転もなく自然なクロスオーバーを形成できるのがメリット。

フロント・バッフルのコーナーをカットして側面を後方へ向かってわずかに狭めたキャビネットのデザインも印象的です。

高額化著しいオーディオ界にあって、良質なハイコスパSPの座を占めそうです

全体に、比較的地味でオーソドックスな外見で、連綿と続くDYNAUDIOのスピーカー的な雰囲気ながら、内容は相当に凝っています。この価格はやはりお得と言えそうです。

「Special Forty」は今日の高額化し続ける単品オーディオコンポ界業界にあっては、まだ常識的な価格で、音質の評価も高く、モノとしての魅力も備えた逸品と言えます。上を見ればキリがない世界ですが、このようなモデルをあえてブランド記念モデルに据え、しかも長期の販売を行おうというところにDYNAUDIOの意図が現れているのでしょう。

ハイコスパで実力派のブックシェルフスピーカーを探している人にとって、有力な選択肢のひとつとして存在感を改めて示してくれそうです。

従来モデルの中古価格への影響は?

もともと、手頃な価格とサイズのブックシェルフスピーカーということもあり、市場では人気がありました。また、2019年から販売が一時停止され、あるいはそのまま販売終了の不安もある向きもあり、結構な高値で中古が活発に取引されていました。この再発売で、あるいは中古市場はこれまでよりも落ち着くかもしれません。

ただし、従来モデルで印象的なカラーだったレッドはなくなり、新バージョンは、やや地味な配色。そのため、もしかして、従来モデルの赤についてはこれまで通りかそれ以上の高値で中古取引され続ける可能性もあります(スピーカー+DYNAUDIO)。

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