ShanlingのDAP新モデル「M6 Ver.21」
中国のShanlingがDAPの新モデル「M6 Ver.21」を本国で発表。価格は569ドル。
従来モデル「M6」(499ドル・国内実売価格6万円程度)の後継機。
「M6」の後継機
「M6」に搭載していた旭化成エレクトロニクス製のDACチップ「AK4495SEQ」が、旭化成工場の火災によって、当面供給ができなくなったため、やむなく「M6」も2020年末で生産終了していたことを受けての後継機の発表。
「M6」と比較しての違いも交えながら「M6 Ver.21」の内容を紹介
DACチップが「AK4495SEQ」2基からESS製の「ES9038Q2M」2基に変更になったのが最大の違いですが、そのほかにも結構な違いがあり、DACチップを替えだけということはなく、ほぼ別モデルと言っていい内容になっています。
OSは従来どおりAndroid 7.1ベースですが、32bitから64bitに変更。Android機能を重視する向きには有用な変更なのでしょう。
再生可能ファイルのスペックも向上。PCM系は最大32bit/768kHzで変わりませんが、DSDはDSD256までからDSD512までの対応のアップ。こんなハイスペックのDSD音源をそんなに聴くかは別問題ですが。
また、「M6」では対応していなかったMQA再生にも「M6 Ver.21」は対応。ここを大きなポイントと捉える向きは少なくないかもしれません。
オペアンプも「OPA1612」から「OPA2211」に変更。DACチップを替えるとアナログ系の音も当然影響を受けて変わるので、その対応としてのオペアンプ変更もあるのでしょう。
Bluetooth送信はLDAC, LHDC, aptX HD, aptX, SBC対応。Bluetoothレシーバーとしては、SBC、LDACコーデックをサポートとまずまず。ほかにもWi-Fi対応やUSB-DAC/USB出力機能なども搭載といった基本的な内容は共通でしょう。
ヘッドホン出力は3.5mm径アンバランスに2.5mmおよび4.4mmバランスの3つを搭載。現在ではこれら3つの端子に標準状態で対応できるDAPは珍しくなくなりましたが、従来の「M6」はShanlingでははじめて3つの端子に標準対応したDAPでした。当然この機構も引き継いでいます。
内蔵バッテリーでの駆動時間は「M6」はシングルエンド駆動時で最大12時間、バランス駆動時で最大9時間でしたが、「M6 Ver.21」ではそれぞれ11時間、8時間と1時間ずつ短くなっています。その分ヘッドホンアンプ部が出力強化されているので、音質自体はアップしているでしょう。
そのほか、SN比なども含めた両機種の比較表をメーカーが発表していますから、参考にしてみてください(DAP+Shanling)。
なお、ShanlingはM6の上位機的なモデル「M6 Pro」も発売しています。ただ、こちらも旭化成製DACチップを使用しているので、今後の継続的な発売は難しそうです。
4月24日追記:「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」で発表
4月24日に「春のヘッドフォン祭2021 ONLINE」で国内発表されました。発売は5月下旬を予定、価格は税込66,000円前後になるとしています。M6 Proが事実上の上位機種であるとして、それと比較すると、「M6 Proは輪郭がはっきりしていてシャープ、M6(Ver.21)はウォーム調で角が丸く聴きやすいサウンド」であると紹介しています。いずれにしても「M6 Pro」の今後の発売は困難なため、このM6(Ver.21)の販売を推していくことになるでしょう。
5月14日追記:価格と発売日が決定
5月21日より発売。税込66,000円前後での実売価格と発表されました。
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