アユートは、Astell&Kernブランドの新製品として、Bluetoothレシーバー/ヘッドホンアンプ「AK XB10」を3月6日より直販サイトのアキハバラe市場で受注開始します。直販価格は3,980円(税込)。カラーはブラック。
通常の3.5mm径イヤホン出力に加え、2.5mmバランス端子を備えていることと、最大24bit/48kHzのハイレゾ相当伝送が可能な高音質コーデック・aptX HDに対応していることが特徴。
外形寸法は50×50×12.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約23gと軽量・コンパクトなのも魅力です。
Bluetoothレシーバー/ヘッドホンアンプ「AK XB10」
「AK XB10」の内容
Cirrus Logic製DACチップ「CS4398」を採用しており、価格を考慮するとかなり音質にこだわっているBluetoothレシーバー/ヘッドホンアンプと言えます。
Bluetooth 4.1準拠で、コーデックはSBC・aptX・aptX HD・AACに対応。プロファイルはA2DP、AVRCP、HFP、HSPに対応。マイクも内蔵しているので、スマホなどとの組み合わせでハンズフリー通話も可能です。登録デバイス数は最大8台で、同時接続は2台と利便性も良好。
本体に、電源/ロック、再生/一時停止、早送り/巻き戻し、音量(大/小)、 ペアリングの各ボタンを備えており、接続機器を手元で操作できます。。物理ボタンのロックも可能。
イヤホン出力の出力レベルは、アンバランス 0.9Vrms、バランス 1.8Vrms。SN比は95dB(アンバランス)/95dB(バランス)。最大出力レベルは、バランス接続が90mW×2ch(16Ω)、アンバランスが40mW×2ch(同)。対応インピーダンスはバランス接続が8~300Ω、アンバランスが8~150Ω。
容量350mAhのリチウムポリマーバッテリー内蔵を内蔵しており、連続再生時間は約5時間(44.1kHz/16bit)、待受は最大300時間。充電はUSBマイクロB端子経由で行ない、充電時間は約2時間。USBケーブルやクリップなどが付属します。
ハイコスパかつ思い切った仕様
価格を考えると大変コストパフォーマンスが高いモデルです。Bluetoothレシーバー機能搭載の単体ヘッドホンアンプでも最近は2.5mmバランス接続に対応するモデルも出てきていますが、実売1万円を切るモデルさえなかなかありません。
一方、DAC/ヘッドホンアンプとして見れば、入力はBluetoothワイヤレスのみで、アナログラインやUSBといった有線接続による音声入力には対応しないという仕様。ですから、本機を使用するには、Bluetoothで音声を送信できるスマホやDAPといった機器が必須です。通常の有線端子を有するオーディオ機器からの音声を本機で聴くことはできません。
それでも、この価格で、aptX HD入力と2.5mmバランス接続に対応するBluetoothレシーバーはやはりそうはなく、この点に価値を見出せる人にとっては、非常にコスパは高いでしょう。
なぜこんなに安い?
さて、本機は妙に安いのに高機能ですし、デザインもなかなか凝っています。一体どういうことなのでしょう。
謎はすぐに解けました。本機は、これまで国内で「SoftBank SELECTION XHA-9000 SB-XB10-BTHA」として2016年に直販価格19,800円(税込み)で発売されていたモデルの同等品。
特に新開発モデルではなく、しかも海外では「Astell&Kern AK XB10」として発売されていました。
さらに、「XHA-9000 SB-XB10-BTHA」の最近の発売状況を見てみると、本機の価格並みに大幅に安くなって売られていました。
在庫が過剰だったのか、安く作れるようになったのか、発売後約4年を経て、大幅に値下がりしたものです。
しかし、現在の価格とこの内容ならば、現在でも全くと言っていいほど見劣りしない内容です。Bluetooth接続で2.5mm径バランスイヤホンを使ってみたい人で、できるだけ安く試してみたい人には打ってつけです。
「AK XB10」と「XHA-9000 SB-XB10-BTHA」を比較しての違い
気になるのは「Astell&Kern AK XB10」と「SoftBank SELECTION XHA-9000 SB-XB10-BTHA」では何か違いがあるのか、という点です。
というのも、「XHA-9000 SB-XB10-BTHA」は、ソフトバンクのイヤホンとのマッチングを図った音質チューニングらしいアピールがなされていたからです。そうなると、汎用的な使用が前提の「Astell&Kern AK XB10」とは音が異なるのかもしれません。
しかし、そんなこともないようです。ネット上でのメーカー関係者の情報によると、両機の違いは製品名とメーカー、製品名の違いによる本体への刻印が異なるだけ、としています。
どちらを買っても、モノは同じ、ということでいいようです。実際、細かい仕様やスペック、機能は全く同一です。
「AK XB10」が発売されたことで、「XHA-9000 SB-XB10-BTHA」が安く買えることにも気づきました。同様のポータブルオーディオユーザーも多そうです。どちらを買うにしても、もし、在庫処分であるならいずれ買えなくなる可能性があるので、早めがよさそうです。
「AK XB10」が向いているユーザー
「AK XB10」が向いているユーザーは、Bluetooth送信機能付きのオーディオ機器を持っている人で、なにがしかの有線イヤホンを持っている人なら誰でも使えます。リーズナブルで高品位なBluetoothレシーバー/ヘッドホンアンプが欲しい人なら、似たような中国メーカー製品を買うよりもおすすめできると思います。
「AK XB10」がより向いている、「AK XB10」のメリットを生かせるユーザーとしては、まず、Bluetooth送信機能付きのオーディオ機器を持っている上で、2.5mm径端子を搭載したバランス接続イヤホンを持っている人です。また、aptX HD送信対応機器を持っている人も適しています。
両方の条件を満たしているユーザーなら、「AK XB10」のポテンシャルを最大限生かせるでしょう。
なお、iPhoneユーザーは、AACコーデックしか送信に利用できませんので、「AK XB10」を用いて、ハイレゾ相当の伝送の恩恵は受けられません。ただ、2.5mm径バランス接続イヤホンを使用することはできます。
音質的なマッチング上、好ましいイヤホンは?
また、音質的なマッチング上、好ましいイヤホンは、ソフトバンクのモデルということにはなるようです。ただ、ソフトバンクのイヤホンは現在それほどモデル数もないので、それほど気にすることではないでしょう。
それでも、「XHA-9000 SB-XB10-BTHA」はもともと、ソフトバンクの「SE-5000HR」が推奨イヤホンでした。ただ、通常のステレオミニ端子で、リケーブルもできません。
より上位モデルの「GLIDiC SE-9000HR」も通常の3.5mm径プラグですが、MMCXリケーブル可能なので、2.5mm径接続も可能です。
「AK XB10」に組み合わせる最適なイヤホンは「GLIDiC SE-9000HR」と言えそうです(Bluetoothレシーバー+Astell&Kern)。
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