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FiiO BTR15とBTR5を比較しての違いは?

Bluetoothレシーバー

FiiO BTR15 約2万円のBluetoothレシーバー兼USB-DACヘッドホンアンプ

エミライは、FIIOブランドより、4.4mmバランス出力を搭載し、低ノイズ・低歪みと高出力を両立したBluetoothレシーバー&USB DAC搭載ヘッドホンアンプ「BTR15」を、2023年12月8日に発売。オープン価格で、税込みの実売価格は19,800円前後。

FiiO BTR15とBTR5を比較しての違いは?

BTR15の内容を、従来機のBTR5 2021(以下BTR5)と比較しての違いを中心ご紹介。

BTR15はESS製の統合型DACチップ「ES9219MQ」を搭載

BTR15はESS製の統合型DACチップ「ES9219MQ」を左右独立で合計2基搭載。BTR5の「ES9219C」2基から変更になっています。「ES9219MQ」は「ES9219C」の後継チップです。

USB-DAC動作時に384kHz/32bitまでのPCMとDSDに対応し、MQAデコードにも対応。このスペックは両機とも同じ。

BTR15はXMOS製のUSBコントローラーチップ「XU316」を採用。BTR5の「XUF208」から変更になっっています。

なお、BTR15のUSB-DAC機能はドライバー不要のUSB Audio Class 1.0モードと、フルスペックでの再生が可能な2.0モードの2モードがあり、2.0モードの場合は公式サイトからドライバーのダウンロードとインストールが必要となります。

BTR15は新たにaptX Adaptiveに対応

BTR15のBluetoothレシーバーチップはQualcomm製「QCC5125」を採用。Bluetooth 5.1に準拠。コーデックはSBC、AAC、aptX、aptx LL、aptX Adaptive、aptX HD、LDACをサポート。

BTR5のBluetoothレシーバーチップ・Qualcomm製「CSR8675」からの変更により、BTR15はaptX Adaptiveコーデックへの対応が追加されており、ハイレゾコーデックへの対応度が広がっています。

バランスイヤホン端子の規格の違い

どちらのモデルも一般的な3.5mmステレオミニイヤホン端子を搭載。

加えて、BTR15のイヤホン端子は4.4mmバランス接続に対応しています。

一方、BTR5は2.5mmバランス接続に対応しています。

イヤホンのバランス接続用端子が4.4mm端子が業界標準的になってきていることからの変更と思われます。

BTR15は最大出力がアップ

BTR15のバランス出力時の最大出力は、BTR5から約40%向上した340mW(32Ω負荷時)にアップしました。これにより、より高出力のヘッドホンやイヤホンをドライブできるようになりました。

BTR5のバランス出力時の最大出力は240mW(32Ω負荷時)です。

ヘッドホン出力の比較(32Ω時):

BTR15
3.5mmシングルエンド: 125mW+125mW
4.4mmバランス: 340mW+340mW

BTR5
3.5mmシングルエンド: 80mW+80mW
4.4mmバランス: 240mW+240mW

BTR15は電源供給の向上による低ノイズ・低歪み

BTR15は統合型DACチップのDAC部とヘッドホンアンプ部に独立した電源供給を行なう設計により、低ノイズ・低歪みを両立しています。

BTR5はDACとヘッドホンアンプが同じ電源で駆動される設計です。

これらの違いにより、両機は以下のようなSN比や歪み率のスペック上の違いがあります。いずれもBTR15が優秀か同等となっています。

BTR15
SN比(A weighted):
3.5mmシングルエンド: -120dB
4.4mmバランス: -122dB
ノイズフロア(A weighted):
3.5mmシングルエンド: 2μV以下
4.4mmバランス: 2.7μV以下
THD+N (1kHz/-6dB/32Ω負荷時):
3.5mmシングルエンド: 0.0008%未満
4.4mmバランス: 0.0008%未満

BTR5
SN比(A weighted):
3.5mmシングルエンド: -118dB
2.5mmバランス: -122dB
ノイズフロア(A weighted):
3.5mmシングルエンド: 2μV以下
4.4mmバランス: 2.2μV以下
THD+N (1kHz/-6dB/32Ω負荷時):
3.5mmシングルエンド: 0.003%未満
4.4mmバランス: 0.002%未満

イコライザー機能の違い

BTR15は無線・有線どちらのモードでも正確にイコライジングを設定可能な「グローバル・パラメトリックイコライザー(PEQ)機能」を新搭載しました。これにより、好みの音質に調整して楽しむことができます。

BTR5はEQ機能のみ搭載しています。

より細かく音質調整できるパラメトリックイコライザーを搭載したBTR15のほうが好みの音質に追い込める余地があります。

BTR15のみバッテリーアイソレーション機能を搭載

BTR15のみバッテリーを長持ちさせる「バッテリーアイソレーション機能」を搭載しています。この機能は、低電圧時にDACとヘッドホンアンプの動作を停止することで、バッテリーの消耗を抑えるというものです。

BTR5にはこの機能は搭載されていません。

バッテリー持続時間

どちらも550mAhのバッテリーを内蔵し、BTR15は最大約8時間の連続再生ができます。BTR5は最大約9時間。

バッテリー持続時間はBTR5のほうが若干上回っているようです。

BTR15はディスプレイが大型化

BTR15の本体の有機ELディスプレイがBTR5の0.49型からBTR15は0.96型に大型化され視認性が向上しました。

ディスプレイには、曲名や再生時間、バッテリー残量などを表示することができます。

BTR15は軽量化

本体重量がBTR5の43.7gからBTR15では37.3gに軽量化されました。

外形寸法はBTR15は約72.2×32×12.5mm、BTR5は72×32×11.1mm。

アプリ

両機ともFiiO Musicアプリ、またはFiiO Controlアプリと組み合わせることで、内蔵パラメーターの設定も可能。チャンネルバランス、オーディオフィルター、イコライザーなどを好みに合わせて設定できます。

BTR5のみのマイク機能

BTR5の本体にはcVc 8.0対応の高感度無指向性マイクを内蔵し、音声通話に使用可能。また、3.5mm出力にヘッドセットを接続すれば外付けマイクも利用できます。

BTR15ではこれらのマイク関連機能は無くなりました。音質重視タイプのBluetoothレシーバーのユーザーはあまり使わない機能だと判断したためでしょう。

総合評価

BTR15は、BTR5から大幅に進化したBluetoothレシーバーです。aptX Adaptiveの対応、4.4mmバランス接続の搭載、最大出力の向上、独立電源化による低ノイズ・低歪み、グローバル・パラメトリックイコライザーの搭載、バッテリーアイソレーション機能の搭載、ディスプレイの大型化、重量の軽量化など、さまざまな面で性能が向上しています。

特に、バランス出力時の最大出力の向上と、独立電源化による低ノイズ・低歪みの両立は、高音質を求めるユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。また、グローバル・パラメトリックイコライザーの搭載により、好みの音質に調整して楽しむことができるのも魅力です。

BTR5は、すでに発売されているBluetoothレシーバーの中でも高音質とコスパを両立したモデルとして人気を集めています。BTR15はBTR5よりも内容を向上させながら、それほどの価格上昇ではないため、コスパはさらに高まっていると言えるでしょう。

BTR15は、高音質を求めるBluetoothレシーバーのユーザーにとって最適な選択肢のひとつとなるでしょう。とくに実売2万円のクラスでは最も注目できる機種になりそうです。

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