FiiO KA13 ドングル型DAC 約1.3万円
FIIOのドングル型DAC/ヘッドホンアンプの新モデル「KA13」を2023年11月10日に発売。オープン価格で、税込みの実売価格は13,200円前後。カラーはブラックとシルバー。
従来機「KA3」の後継機。「KA13」の内容・特徴を両機を比較しての違いを交えてご紹介。
KA13はFiiOのドングルDACではじめてデスクトップモードを搭載
「KA13」の大きな特徴として、FIIOのドングルDACとしては初めて「デスクトップモード」を搭載していることが挙げられます。
デスクトップモードとは、PCやノートパソコンなどのデスクトップ環境で使用する際に、電源から高い電力を供給させることで、より高い出力能力を発揮するモードのことです(KA13の場合バスパワー電源からの供給をアップさせます)。
この機能により、最大出力が向上し550mWと、240mWのKA3より高い出力が可能となり、イヤホンやヘッドホンの駆動力が向上します。
デスクトップモードをiPhoneで使う場合の注意
ただし、iPhoneなどのモバイルデバイスでは、デスクトップモードを使用しても電源供給機器側の出力制限があるため、高い出力にはならない場合もある懸念があります。USB-Cを搭載したiPhone 15以降では問題ないという指摘もあります。
デスクトップモードを使用する際の安定動作には、音楽再生アプリの設定やイコライザーの調整も考慮することも関係するかもしれません。
KA13は本体ボタンの追加による操作性の向上
また、KA13には本体にボリュームボタンとトラック選曲ボタンが追加され、アプリだけでなく本体自体での操作が可能になりました。これにより、より便利な操作性を実現しています。
DACチップとアンプチップの違い
DACチップとアンプチップもKA13では変更されています。性能差はそれほどでもありませんが、音質傾向や音色などに違いが出る要素ではあります。
KA13のDACチップ 2 x CS43131、オペアンプ 2 x SGM8262
KA3のDACチップ ES9038Q2M、オペアンプ 2 x RT6863D
対応ファイルのスペックの違い
さらに、対応ファイルのスペックにも違いがあります。KA13の方が劣っている点がありますが、一般的な使用ではそれほど影響はないでしょう。
KA13の対応スペック:最高PCM384kHz/32bit, DSD256(DoP)
KA3の対応スペック:最高PCM768kHz/32bit, DSD512(Native)、DSD256(DoP)
KA13はデジタル出力が追加
KA13では3.5mm出力からの同軸S/PDIFデジタル出力に新対応。DDコンバーターとしての利用も可能に。同軸ケーブルは付属していないので市販の3.5mm to RCA同軸ケーブルを用意する必要があります。
FiiO KA13の内容のまとめ
以下にKA13の内容を上記で触れた内容以外も含めてまとめます。
FiiO KA13は、FiiO(フィーオ)の製品ラインアップにおけるドングル型DACの最新モデル。USB Type-Cポートを持つスマートホンやデジタルオーディオプレーヤーに接続でき、高品質な音楽再生を実現します。
KA13は、2つのCS43131 DACチップと2つのSGM8262オペアンプを搭載しており、音質の向上に貢献します。このデバイスはUSBバスパワー駆動で動作し、非常に使い勝手が良く、外部電源が不要です。また、USB Type-Cケーブルを使用して幅広いデバイスと接続することができ、音楽再生の拡張をシームレスかつ容易に実現します。着脱式の接続ケーブルを備えており、パソコンなど様々なUSB機器との接続も容易です。
FiiO KA13は、ヘッドホン出力として3.5mmシングルエンド出力と4.4mmバランス出力を搭載し、様々なヘッドホンやイヤホンとの組み合わせが可能です。また、KA13は、FiiOのドングルDACの中でも初めて、高出力を実現できる「デスクトップモード」を搭載しており、最大550mWの高出力スペックを誇っています。
さらに、デジタル出力として3.5mmの4極S/PDIF出力を備えており、接続オプションが多彩です。
このドングル型DACは、高い音質を提供するだけでなく、幅広いサンプリングレートに対応しており、最高でPCM384kHz/32bitやDSD256(DoP)の再生が可能です。そのため、ハイレゾオーディオや高解像度音源の再生にも幅広く対応しています。
デバイスのRGBインジケーターは、再生周波数を視覚的に表現し、音楽を楽しむ際のインタラクティブな要素となります。また、Android版FIIO Controlアプリを使用すれば、本体の設定を詳細に調整でき、ユーザーは自分好みの設定をカスタマイズできます。
FiiO KA13は金属製の筐体を採用し、高いデザイン性と放熱性を兼ね備えています。
FiiO KA13とKA3 仕様比較
仕様 | FiiO KA13 | FiiO KA3 |
---|---|---|
電源 | USBバスパワー駆動 | USBバスパワー駆動 |
DACチップ | 2 x CS43131 | ES9038Q2M |
アナログ出力端子 | 3.5mmシングルエンドヘッドホン出力(S/PDIFデジタル出力と排他), 4.4mmバランスヘッドホン出力 | 3.5mmシングルエンドヘッドホン出力, 4.4mmバランスヘッドホン出力 |
デジタル出力端子 | 3.5mm4極S/PDIF出力(シングルエンドヘッドホン出力と排他) | なし |
推奨インピーダンス | 16〜300Ω | 16〜300Ω |
アンバランス出力 | 170mW@32Ω | 120mW@16Ω, 130mW@32Ω, 14mW@300Ω, 7mW@600Ω |
バランス出力 | 550mW@32Ω | 120mW@16Ω, 240mW@32Ω, 56mW@300Ω, 28mW@600Ω |
周波数応答 | 20Hz〜50KHz (-1dB) | 20Hz〜50KHz (-1dB) |
S/N比 | 123dB(32Ω、A-weighted、シングルエンド出力), 122dB(32Ω、A-weighted、バランス出力) | ≥ 122dB(32Ω A) |
ノイズフロア | 1.7uV未満(A-weighted、シングルエンド出力),3.1uV未満(A-weighted、バランス出力) | 3.9uV/4.2uV(シングルエンド出力), 4.4uV/4.3uV(バランス出力) |
対応サンプリングレート | 最高PCM384kHz/32bit, DSD256(DoP) | 最高PCM768kHz/32bit, DSD512(Native)、DSD256(DoP) |
本体カラー | ブラック/シルバー | ブラック(ボディ:ブラック、上下端面:ゴールド) |
寸法 | 56.3mm x 22mm x 10.5mm | 56.3mm x 20.2mm x 12mm |
重量 | 約18.5g(ケーブルを除く) | 約17.5g |
付属品 | USB A to Type Cアダプター, USB Type C to Type Cケーブル, USB Type C to Lightningケーブル, クイックスタートガイド | USB A to タイプCアダプター, USB タイプC to タイプCケーブル, クイックスタートガイド |
これらの仕様比較から、FiiO KA13とKA3は両方ともUSBバスパワー駆動のドングル型DACであり、ヘッドホン出力やバランス出力を提供しています。KA13はS/PDIFデジタル出力も備えていますが、KA3はその代わりに高いサンプリングレートに対応しています。選択肢は、使用環境や好みに合わせて行う必要があります。
FiiO KA13とKA3を比較しての違いのまとめ
まず、KA13はFiiOのドングルDACとして初めてデスクトップモードが搭載されています。これにより、最大出力が向上し550mWになりました。一方、KA3にはデスクトップモードはありません。
また、KA13には本体にボリュームボタンが追加され、アプリだけでなく本体自体での操作が可能になりました。これにより、より便利な操作性を実現しています。
DACチップとアンプチップもKA13では変更されており、音質が向上しています。一方、KA3は既存のチップを使用しています。
さらに、対応ファイルのスペックにも違いがあります。KA13の方が劣っている点がありますが、一般的な使用ではそれほど影響はないでしょう。
外観・デザインも変更されており、また、KA13には黒とシルバーのカラーバリエーションが追加されました。これにより、よりライフスタイルに合わせた選択が可能になりました。
価格比較
価格については、KA13が内容・機能が向上しているにもかかわらず、同程度です。
性能比較
性能の面では、KA13の方が最大出力が向上しているため、よりパワフルな音質を楽しむことができます。
使い勝手の比較
使い勝手については、KA13の方が本体にボリュームボタンが搭載されているため、より手軽に音量調整ができます。一方、KA3はアプリを使用する必要がありますが、操作は比較的シンプルです。
以上がFiiO KA13とKA3の比較です。個々の特徴を把握して、自分のニーズに合った製品を選ぶことが重要です。
まとめ
今回は、ドングル型DACのFiiO KA13とKA3を比較しました。両モデルとも、FiiOの製品であり、高い性能と品質を提供しています。
FiiO KA13は、FiiOのドングルDACの中でも初めてデスクトップモードを搭載しており、最大550mWの高出力スペックを誇っています。しかし、iPhone 14以前で使用する際は出力制限があるため、高い出力にならない可能性があります。また、デザインも黒とシルバーのカラーバリエーションが追加され、本体にボリュームボタンが装備されました。
FiiO KA13とKA3を比較して選ぶポイントは?
FiiO KA13は、KA3の後継モデルであり、性能や音質にこだわった商品です。機能・性能の比較では、KA13はデスクトップモードの搭載や最大出力の向上、本体ボタンの追加などの向上点があります。
また、DACチップやアンプチップも変更されています。ただし、対応ファイルのスペックではKA13の方が劣っていることに注意が必要です。一般的な使用ではそれほど影響はないでしょう。
音質面では従来機・KA3の低音の制御がやや不十分であるというレビューもあるだけに、こうした点が向上しているのかは注目ポイントです。
価格については、KA13が内容・機能が向上しているにもかかわらず、同程度です。これから、この価格帯でFiiOのドングル型DACを購入しようというのであれば、KA13のほうがおすすめだとは思います。KA3が在庫処分で大幅に安くなるのであれば、上記の違いを考慮してKA3を選ぶとお得な場合もあるかもしれませんが。
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