HIFIMAN HM1000(RED) 生産終了! 発売されたばかりですが…
HIFIMAN JAPANが5月28日に税込み66,000円で発売したポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプ「HM1000(RED)」が、まだ発売されたばかりなのに、この6月で生産終了となることがメーカーから発表されました。
理由としては「製造終了理由は部品(半導体コアー)供給が停止され」としています。
「HM1000(RED)」は、現行の汎用DACチップではもはや採用していない、マルチビット型(R-2R ラダー型)のDACチップ・バーブラウンの「PCM1702」を搭載していることから、多くのポータブルオーディオ愛好家から注目を集めていたポータブルUSB-DAC/ヘッドホンアンプです。
本機の内容についてはこちらでご紹介済み。
また、発売直後の購入者のレビューなどはこちらでご紹介しています。
DAPモードはどうなる?
「HM1000(RED)」はmicroSDカードスロットを搭載しており、本来DAPとしても動作できる汎用性の高い機器です。しかし、国内発売時にはDAPとしては使えない状態でした。発売後の国内代理店によるファームウェアアップデートが期待されるところですが、いきなりの生産終了、販売終了で今後のアフターフォローも気がかりではあります。販売済みの製品のアフターフォローはやってくれるとは思いますが。
不具合などについて自己責任とはなりますが、HIFIMANの中国サイトからいわゆる野良APKをダウンロードすることでDAP化できるという情報はあります。
HIFIMAN HM1000はまるでただのDACアンプみたいな売られ方していますがmicroSDカードスロットがあり一般的なmicroSD容量を再生するDAPとしても機能します。
ただ肝心のアプリはplay storeに無く、HIFIMANの中国サイトから野良APKでダウンロードするしかなく、言語も中国語固定(日本語表示は可) pic.twitter.com/CCQ3vKtrPD— ヤンネM8 (@headphone_metal) June 4, 2021
音質面を中心に、現在では得難い個性的な名機?
「HM1000(RED)」は発売直後から、操作性に癖があるという意見が多い一方、音質面ではなかなか他には得難いものがあるという感想が多く、独創的で個性的な名機といった印象です。
今回の生産終了の理由となった具体的な入手困難部品は明示されていませんが、あるいは本機の心臓部と言える「PCM1702」の新規入手が困難になったのかもしれません。「PCM1702」自体が生産終了となっているのではないでしょうか。
DAPやポタアンは数多く、際立った名機と呼ばれるには特別な特徴や際立った高音質が必要と考えられますが、「HM1000(RED)」はこの両方の要素を満たしているように思われます。
加えて、これだけ販売時期が短いと、国内流通量も限られ、中古市場での希少性も高まり、今後、中古で購入しようという場合には安くはない相場になるかもしれません。
「PCM1702」に関して
「PCM1702」を搭載したCDプレーヤーは20年くらい前には珍しくなく、いまでも中古で簡単に入手できます(あのDENON 755シリーズにも搭載されていました)。外部からのデジタル入力のDACモードに対応するモデルもありました(KENWOOD DPF-7002など)。ただ、ハイレゾ入力には対応していません。
「PCM1702」を搭載したDAPやポタアンはHIFIMANのモデルくらいしかなく、つまり「PCM1702」でハイレゾ音源を聴ける機器は珍しいということです。
なお、「PCM1702」の上位チップである「PCM1704」は今日、もっと希少であり、HIFIMANも上位モデルで搭載しています。ただ、20年くらい前に「PCM1704」を搭載したCDプレーヤーにはハイレゾ対応のDAC入力を搭載したものや、ハイレゾ対応の単体DACが結構あり(DENON DCD-S10Ⅲなど)、それらは今日でも容易に中古入手できます。
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