パナソニックの有機ELテレビ2021年モデル「VIERA JZ2000 / JZ1000」
パナソニックは有機ELテレビの2021年モデルを発表。上位の「VIERA JZ2000」シリーズと、下位の「VIERA JZ1000」シリーズをラインナップ。
「VIERA JZ1000」シリーズの内容を「JZ2000」と比較しての違いを交えながらご紹介
このうち、「VIERA JZ1000」シリーズの内容を「VIERA JZ2000」シリーズと比較しての違いを交えながらご紹介します。
サイズのラインナップと税込み実売価格
サイズのラインナップと税込み実売価格はそれぞれ以下の通りです。
JZ1000
・TH-65JZ1000(65型):48万円前後/6月25日発売予定
・TH-55JZ1000(55型):31万円前後/7月9日発売予定
・TH-48JZ1000(48型):25万円前後/6月18日発売予定
JZ2000
・TH-65JZ1000(65型):55万円前後/5月21日発売予定
・TH-55JZ1000(55型):39万円前後/5月21日発売予定
JZ1000が55型で8万円ほど、65型で7万円ほど安くなっています。また、48型はJZ1000のみです。
「JZ2000」シリーズと「JZ1000」シリーズは共通点が多い
パナソニックの有機ELテレビの2021年モデルは、2020年モデルから画質面での向上を図っていますが、その向上内容は「JZ2000」シリーズと「JZ1000」シリーズで共通点が多いのも特徴です。
テレビの基本的な画質を大きく左右する映像エンジンも刷新。HDMI関連やUIにも改善が加えられ、ゲームを楽しむ層を中心に幅広いユーザー層にもアピールできる高品位テレビを狙っています。
有機ELパネル関連の共通点と違い
使用する有機ELパネルは、LGから調達するものを自社の独自カスタマイズを施して使用。パネルの世代については最新のEVOパネルではないかという憶測がネット上で出回っていますが、現時点で確証はありません。
独自設計のカバー一体型放熱プレートを採用するほか、独自のパネル制御技術「Dot Contrastパネルコントローラー」を、新たにエリアごとの入力信号情報を解析するアルゴリズムを搭載して採用。
パネル関係の上記の内容は基本的に「JZ2000」シリーズと「JZ1000」シリーズで共通。ただし、「JZ1000」シリーズ48型は「Dot Contrastパネルコントローラー」を搭載していますが、ディスプレイは通常の有機ELディスプレイとなっていて、他よりも劣っています。
また、新素材の貼り付け構造を「JZ2000」シリーズは採っていますが、「JZ1000」シリーズでは採用されていません。
新映像エンジン「HCX Pro AIプロセッサー」
映像エンジンはいずれも新たに「HCX Pro AIプロセッサー」を搭載。AIを活用し、映画、スポーツ、音楽、ニュースなど、ユーザーが視聴しているコンテンツの種類を正確に検出した上で、コンテンツに合わせた画質に自動調整してくれます。AIを活用して画像エンジンの高画質化を図る手法を、他のメーカーのようにパナソニックも使い始めたということです。
「オートAI画質/音質」新搭載など
同時に国内発表された4K液晶モデル上位機「JX950」にも用いられる自動画質・音質調整機構「オートAI画質/音質」を新搭載し、進化した信号処理技術「ヘキサクロマドライブ+」を搭載。「ヘキサクロマドライブ+」はHDR10/HDR10+コンテンツの入力時、シーンに応じてHDRトーンマッピング処理を動的に変化させる技術が追加されており、高輝度域でも色鮮やかで、階調豊かな映像を実現したとしています。
「AI HDRリマスター」や「素材解像度検出4Kファインリマスターエンジン」、「クリアモーション」などは従来から継続して搭載。
「HDR10+ ADAPTIVE」に新対応
HDRについては従来までのHDR10、Dolby Vision、HLGに加え、部屋の明るさに合わせて自動調整する新機能「HDR10+ ADAPTIVE」にも新対応。「HDR10+ ADAPTIVE」自体、発表されたばかりの規格であり、両シリーズがその世界最初の対応テレビです(発売日からすると「JZ2000」が世界初)。
Dolby Vision IQ、Filmmaker Mode、HLGフォトといった最新規格にも対応。
4K/120HzなどHDMI2.1に対応する機能を拡大
HDMI入力はHDMI2.1に対応する機能を拡大。4K/120Hzでの入力とVRR (可変リフレッシュ レート)に対応しています。AMD FreeSync Premiumもサポート。
「Game Mode Extreme」(「ゲームモードエクストリーム」)と呼ぶゲーム用のモードも新搭載。「HCX Pro AIプロセッサー」が持つ高速かつ高い処理能力を生かしての低遅延が売りで、「有機EL TVの業界で最も低い数値までレイテンシーを削減する」と謳っています。従来の有機ELテレビの半分程度の遅延に抑えられているとしています。
チューナー数、OS、リモコンなどの使い勝手面
操作系では独自OSの最新版「MY HOME SCREEN 6.0」を搭載。UIをリニューアルし使い勝手を向上させたほか、Bluetooth端末の2台同時接続にも対応。
4Kチューナーは2機内蔵し、4K2番組同時録画に新対応。新メニュー画面とデザイン一新のBluetoothリモコンも付属。従来のビエラ音声操作に加え、新モデルではGoogle アシスタントとAmazon Alexaに対応。
ここまで、有機ELパネルの違い以外は、ほとんど同じ内容。
サウンド面の違い
音質面では「JZ1000」シリーズでは、2ch 30Wのフルレンジスピーカーを搭載し、Dolby Atmos音声に対応。
一方、「JZ2000」シリーズでは、フロントスピーカー/イネーブルドスピーカー/ウーファーに加え、両側面に「ワイドスピーカー」を搭載し、7.1ch構成/出力125Wに強化。横方向の音場を拡張し、音が上下左右に広がる臨場感を実現したとしています。
音質面の装備では上位と下位で相当な差があります。
サイズ・重量は「JZ1000」が大幅に軽量で注目
外形寸法/質量(スタンド含む)はTH-65JZ1000が144.8W×90.1H×34.8Dcm/約22kgで、TH-55JZ1000が122.7W×77.7H×34.8Dcm/約19.5kg、TH-48JZ1000が106.9W×67.7H×24.5Dcm/約20kg。
外形寸法/質量(スタンド含む)はTH-65JZ2000が144.8×91.6×35.0cm/約28kgで、TH-55JZ2000が122.7×79.2×35.0cm/約23.5kg。
いずれもスタンドには独自の転倒防止機構とスイーベル機能に加え、ケーブル類をまとめられるカバーを搭載(48型は転倒防止機構のみ)。
サイズ・重量で注目なのは、「JZ1000」シリーズの軽さ。従来のパナソニック有機ELテレビと比べてもかなり軽量化されています。「JZ2000」シリーズとの差も大きく、最近の大型薄型テレビは薄型と言えど重いのが気になって導入をためらっていた人にもそのハードルが下がったモデルと言えるでしょう。
両シリーズの違いは有機ELパネルの一部内容、サウンドシステム、本体重量の3つに集約
このように、両シリーズの違いは、有機ELパネルの一部内容、サウンドシステム、本体重量の3つがおもなものです。
機能面では同一であり、画質面についても価格差ほどの違いはなさそう
それ以外の機能面では同一であり、画質面についても価格差ほどの違いはなさそうです。PS5でのハイスペックでのプレイを念頭においても、対応する性能や、遅延性能なども同一であり、ゲーム用モニターとしてもほとんど画質面での違いはなさそうです。
JZ1000シリーズの48型のみ、少し画質面でダウングレードしているようです。この48型のみは少し別に考えたほうがいいかもしれません。
両シリーズの大きな違いは内蔵スピーカー・アンプを含めたサウンド面
両シリーズの大きな違いは内蔵スピーカー・アンプを含めたサウンド面。これはテレビ本体にスピーカー性能を求めるのか、テレビのスピーカーはほどほどでもよく、強化したいなら別途サウンドバーなどを追加するという考え方の違いで選択は変わるでしょう。
お得なのは「JZ1000」?
ネット上での声を見ると、「JZ1000」のほうがサウンド分の価格差を考えてもお得なのではないか、という意見が多いように感じました。
また、「JZ1000」の軽量ボディを評価する向きもあり、テレビの軽さに価値を見出すのであればむしろ、「JZ1000」のほうが有利でさえあります(有機ELテレビ+Panasonic)。
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